婀婆擦 痣花 
設定
名前：婀婆擦 痣花(あばすれ あざか)
年齢：17歳
性別：女
職業：退魔師、一部の人間からはアバズレ巨乳水着女子高生退魔師と呼ばれてしまっている。
身長：155cm
体重：46kg
好きなもの：彁、歌、爺ちゃんの霊術
嫌いなもの：親、学校
一人称：あたし
二人称：あんた
三人称：そいつ、あいつ
年齢：17歳
性別：女
職業：退魔師、一部の人間からはアバズレ巨乳水着女子高生退魔師と呼ばれてしまっている。
身長：155cm
体重：46kg
好きなもの：彁、歌、爺ちゃんの霊術
嫌いなもの：親、学校
一人称：あたし
二人称：あんた
三人称：そいつ、あいつ
人物
外見
技・特殊能力
武器など
コネクション
略歴
オカルト同好会 CHAPTER 335(みずご)
概要
このシナリオはデュアルヒロイックシステム（造語）で進む特殊なシナリオである。
魔術師サイドで過去を、痣花サイドで現在を進めていく。
各所に散りばめられた違和感を集め、仇敵と相対する事がこのシナリオのクライマックスだ。
愚劣手愚花を中心に展開される物語。それを紡ぐひとひらの縁を、痣花は手繰る事が出来るのか。
急転直下で進み、色々なフラグを回収する本作、私のやりたい事を煮詰めた煮こごりとなっておりますので
ご注意くださいませ。
人数：0〜１人 ※誰もいなくなったら同じことだもんねえ。
時間：？時間 ※RPによります。
推奨：あなた
ロスト率：貴方を地獄に誘いますね。
牛の首
牛の首とは、いわば都市伝説である。
この怪談は、余りにも恐ろしい内容のため、
聞いたものは正気を失い、病みついて、3日とたたずに死んでしまうらしく、
そのため皆が口を閉ざし、作者も永久にこの怪談を封印したまま死んでしまったので、
今では「牛の首」という題と、「それが余りにも恐ろしい話」だという形骸のみが
独り歩きしているのである。
人面牛身の妖怪「件(くだん)」と関連づける説や、
天保の大飢饉に起きた悲劇であるという説等、
インターネット上では《牛の首》に関する様々な説があり、
真の内容であるとされる話も多数あげられているが、いずれも確証を得るには難しい
情報ばかりであり、どうもこの怪談は、実在しない怪談をあたかもあるかのように
語ることで、その《牛の首》という不安を誘うワードに好奇心と恐怖心を遊ばせる
実態のない怪談というのが定説のようである。
では、「牛の首」という怪談ば本当に実在しないのだろうか？
此処は日本、栃木県の那須の湯本が山奥。
草木をたくわえた山々は、その半分程を赤茶色の美しい紅葉で色目かし、
ざあざあと涼しい葉音を響かせている。
山を登る坂道を歩き始めて数時間、道路舗装こそされてはいるものの、
荒れ放題でガードレールが半分崖に落ちかけている。
アウィン「うう…足が棒になりそうです…こんな山奥にホントに手掛かりのとかあるんですかねぇ？
ただの手入れのされてない野山にしか見えませんけど…」
飛べよ、と思ったりもしますが、まぁ人目を気にしたり師匠とピクニックデート気分だったんでしょうね。
アウィンは羊皮紙に描かれた地図をくるくるさせながら、難しい顔をしている。
もっと便利なものがあるだろう…と思うかもしれないが、彼もまた歴史を重んじる、古いタイプの魔術師なのだ。
《目星》
ふと、一瞬つんと崖の下から線香の様な臭いが鼻をつく。
訝しんで崖下を覗けば、はるか崖下に車が落下しているのが分かる。
匂いの元はアレのようだ。
・近付く
浮遊などの魔術を使用して崖下へと下ってみれば、
古く錆び付いたセダンが落下の衝撃で大破している事が分かった。
中を覗いてみれば、薄汚れたピンク色の可愛らしいリュックサックが置いてある。
中を覗けばプラスチックのお弁当容器等が確認出来た。
アウィン「あれ…これって…子供の？なんか事件性感じますね…」
《アイデア》
崖の上にブレーキ痕のようなものは見当たらなかった。そして中に血痕のようなものは見受けられない。
つまりは事故で落ちた訳ではなく、なんらかの人為的作業で崖の下に落とされたのだと分かっていいだろう。
アウィン「うーん…普通こんな事しませんよね？何か隠したかったのかな…」
「とりあえず、崖の上に戻って先に進みませんか？こんなものがあるという事は、
もしかしたら近くに誰か人が住んでいるのかもしれません」
再び崖上に戻り、ごつごつとした岩肌のような道路を歩くこと十数分、なにか山奥にしては開けた広場へと出た。
アウィン「うーんなんですかね此処…あっどうやら奥にちゃんとした道が続いてるみたいですよ！…どうやら村？ですかね？行ってみましょう！師匠！」
・行ってみる
《目星》
貴方は奥の道へ続く手前の看板に目がいく。
薄汚れてはいるものの、こう書いてあるようだ。
「臣豆頁村」
アウィン「漢字はちょっと…難しいですね。」
アウィンは英国人の為、漢字なんかわかんないよ。
・臣豆頁村
細い道を歩いていけば、次第に道は大きな通りになる。左右には和風の家々が立ち並ぶ。
どうやら山奥にありがちな普通の集落の様だ。
周りの畑では老人が畑を耕し、主婦のような女性は花に水やりをしている。
いかにも長閑だ。
「おやあ、こんな田舎にお客さんたぁ珍しいねぇ！」
「なんもねぇ田舎やけど、ゆっくりしたってねぇ！」
大きな道が村中央にゆらゆらとぶれながらも真っ直ぐに伸びており、
見れば手前から、寂れた家屋、畑、そして最奥には神社がある。
ある程度調査がてら、村を見て回れそうだ。
《寂れた家屋/畑/神社》
貴方は寂れた家屋の方へと向かって行ったのだった…。
■畑
あなた方は荒れに荒れた村を縦断する道を、ひたすら前へ前へと進んでゆく。
薄暗くもやが掛かったような農道は、かつては村民の往来などもあったのだろう。
今では見る影もなく、虫の鳴き声すら殆ど聞こえない。
皆、何かに恐れて息を殺しているのだろうか。
ふと、視界の端に動くものが見えた。
ちらりとみれば、そこは僅かに盛り上がった土だらけで…おそらくは畑だったのだろう。
手入れされずに荒れ果てた土を抉りながら、上体を乱高下させるように何かが不可思議な動きをしている。
「あれはイヌガミサマ」
「この村がこっちに来た時に村人と一緒に転化しちゃった機械。元々はなんか、粉砕機だったみたいなんだけどね…」
「足が伸びた上に殺害した人間をずた袋に入れて、身体から下げてるの」
「まるで歩く絞首台ね」
「近寄らない方がいいわよ、ミンチになりたくなけりゃね」
「ただの機械の時に人を食い過ぎたのよ」
「だから変なのがついちゃったみたい。」
その時、イヌガミサマと呼ばれた機械の近くに、何かが通る。
それはまるで人体がきなこ棒のようにねられ、子供の下手くそなオブジェのように形成された何かだった。
「んでもってあいつらはここの村人。元々女狐に狂わされてたけど…裏に来てからはもうあんなかんじ。」
「こっちになじめなかったんだねぇ。まぁもともと壊れちゃってたし、この村のやつらは愚花ちゃんにひどいコトをしたし…こんなんじゃたりないくらいだよねぇ」
彁の口が歪み、嗤う。
それと同時に、彼女から再び厭な気配を感じ取る。
するとそれに呼応するかのように、
突如、アザカは目眩に襲われた。
瞑ったまぶたの裏に映るは何かの映像だ。
◆過去の光景
うだるような暑さと、セミの喧しさ。
今度の場所は、そこそこの広さの納屋の様な場所だった。
目の前にはあの男。そして女の子。
彼女の太ももは無残にも男の持つマチェットで切断され、
どくどくと血液が流れ出ている。
女の子はほぼ意識がなく、息も浅い。
そうしていると、自分の頬に何かがつたい、唇が勝手に揺れ動く。
「そうはさせない」 「生きて」 「奴らに仕返ししなきゃ」
そうして、私は少女に口付けする。
彼女の中に私が流れ込み…そうして私と彼女は一心同体になった。
…これはきっと、彼女の過去だ。彼女はこの愚花という少女を心の底から愛していたのだ。
しかし、理由は分からないがおそらく彼女は選ばれなかった。突き放された。
人は、最愛の人から裏切られた時、たいてい怒りから悍ましい恨みを抱くか、哀しみから激しい自暴自棄になる。では彼女は？…きっとその両方なのだろう。
視界が戻る。
気がつけば貴方はイヌガミサマと呼ばれた機械の成れの果てに突進されていた。
貴方と機械は目と鼻の先だ。
しかし、寸前の所で彁がそれを押し止めている。
手の前にまるでオーラの様な障壁を張り、機械がそれを食い破らんときしむ。
「ちょっと！？目立つようなことはするなって言ったわよね！？」
「いきなりコイツの目の前に躍り出るとか信じられない！！」
「ほらっ…いまのうち早く逃げなさいよ…」
自分はどうやら幻覚を見ている間、勝手にイヌガミサマの前に躍り出てしまったらしい。自分も少しずつおかしくなってしまっているのかもしれない。
《逃げても逃げなくてもいい》
《逃げる》
貴方は恐ろしさから逃げた・・・いますぐそいつから離れなければ、いともたやすく
生命はぐちゃぐちゃのひき肉のように引き伸ばされると思ったからだ。
しばらくすると、背後から炸裂音が響き、ひときわ高いサイレン音が響く。
そうして、ずるずると足を引きずった彁が戻ってくる。
その身体は血だらけで、痛々しく血液が衣服を汚している。
「…何？これくらい私は大丈夫よ。どうせもうすぐ消されるんだし。
怪我してまいがしてようがアンタには関係ないでしょ。」
《逃げない》
貴方は恐ろしさを堪え、逃げずにイヌガミサマへと立ち向かった。
「ちょ・・・はぁ？」
「なにやってんの！？はやく逃げとけっていってんのに・・・！」
ピシリと、イヌガミサマの爪が障壁を貫通し、彁の頬に傷をつける。
「・・・つっ！」
「…仕方ないわね、正直私の力じゃこいつを押し留めておくコトしかできない。」
「そのうちにコイツの目を狙って、何か…攻撃して！」
《魔法攻撃》
貴方の魔法攻撃は障壁を内から貫通し、イヌガミサマの、ライトが変形したのであろう瞳を貫通する。
イヌガミサマはまるでサイレン音のような悲鳴をあげながらその場に倒れ、機能を停止した。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「貴方・・・霊力があるのね・・・」
「まあ当然といえば当然か・・・」
「それなら貴方の呪いももしかしたら・・・いえ、なんでもない。」
《優しくする》
「・・・っ！何！？なんのつもりなの！？やめてよね！！」
「表面上の優しさなんてウザいだけ。」
《「なんで助けてくれたの？」》
「…は、はぁ？」
「別にアンタなんか助けた覚えないんですけど？」
「ただあのデカくてうるさい虫が目障りだっただけ。」
※ある程度終われば
「ほら…もういいでしょ。」
「そろそろ行くわよ。私の最後の場所。」
彁は無表情に村の最奥・・・豪奢な神社を見遣った。
《目星》
ほんの一瞬、彁の身体が灰の様に崩れかかった気がした。
■神社
あなた達が歩を進めていけば、道すがら、数多の鳥居が現れる。
ガタガタとアンバランスに生える様はまるで、地面から自生して来たかのようにも見える。
その様子と数を見るに、どこか伏見稲荷大社を思わせる荘厳さとおどろおどろしさを讃えていた。
そしてその先に控えるのはこれまたいかめしい社であった。
金銀珠玉に彩られたその神社は、まるで玉座に待ち構える暴君めいて、攻撃性を隠そうとはせずに間口を広げていた。
久遠の現在の力に比例して、神社が荘厳に成長している。
裏世界の主になった久遠は現在、恐ろしく強大。
「そろそろ終点ね。長かったようにも感じるけどこれでようやく終わり。」
「最後に愚花ちゃんに会う事は叶わなかったけど、どこか面影がある貴方に逢えたのは重畳だったかもね。」
「ここから出る方法があるとしたら…裏世界の城主のアイツに頭を下げるしかない。」
すると、本殿の奥から声が掛かる。
久遠「おいで」
酷く優しい、甘ったるくぬかるんだ声だった。
あなた方はその声に誘われる様に、神社の最深部へと誘われていく。
■本殿
本殿の中は、これまた豪華という言葉では言い表し辛い程の絢爛豪奢な様相を呈していた。
本殿中央、真っ直ぐと中心を割く、一本の長い長い板張りの廊下が、奥の見えない社の中、果てまで伸びている。
端々を見れば、妖しい暗闇の中で光り輝く金銀の装飾品が柱にひしめきあい、
金箔銀箔で彩られた襖は廊下の左右にそびえ、僅かな光を照らし返している。
そこには九尾の狐が陰陽師のような人間を貪り喰らう様子がびっしりと描かれていた。
そうして、ひんやりとした廊下を幾分歩いたのだろうか。
30秒くらいだったのかもしれないし、1時間程歩いた気すらする。
突然、少し開けた場所へと出た。ここが最奥なのだろう。
天井は破壊されたのか無くなっており、赤赤とした黒点を中心に、
空が血液色に怪しく輝いている。
「く…久遠…様」
彁が苦い顔をする。
生理的に受け付けない、といったその表情は、本殿奥に投げかけられていた。
赤き光に照らされた下にそれはいた。
その者は、美しい女性の形を象っていた。
長く長く、彼女の足元まで蓄えられた髪は白銀に輝き、眩い燐光を放つ。
それとは対照的に、肩口を大きく開いた、黒曜石めいて漆黒の着物には、
社の装飾に勝るとも劣らない絢爛雅な刺繍が施されている。
形容するのであればそれは花魁、或いは傾国の美女といった所であろうか。
カラン、コロンと、妙にゆったりと反響する下駄を鳴らし、女性はゆっくりと前にいでる。
すうっと、琥珀色の双眸が、あなた方を捉えた。
「随分と、散歩を楽しんでいたようじゃのお。」
「いいや？文句は無いさ。お前からは随分と助けて貰った。」
「長い時間は掛かっちまったが、お陰で漸くここまで回復できたしの。」
「ああ、名乗りがまだだったのう、妾は久遠玉藻前チカゲ。日の本三大大妖が一人じゃ。」
「遠路遥々ご苦労じゃった。贄は幾らいても良い。我が糧となる事、光栄に思うが良いぞ。」
「……その事なんだけども」
彁が意を決したように阻む。
久遠は一瞬眉をひそめる。
「何だ？」
「こいつ…あざかは自分の意思で此処に来た訳じゃない。」
「私が間違って此処に引き摺りこんでしまったの。」
「だからお願い、私はどうなってもいいから、彼女は元の世界に返してあげて。」
静かに微笑み、彁の話を聞いていた久遠は、そのままニッコリと笑みを零し、話す。
「ふゥーむ…成程、己が過失じゃから、迷い子を許し、元に帰して欲しいとな…。」
「中々献身的で仲間思いじゃないか。どこで覚えたか分からぬが…素敵じゃのう。」
「じゃがダメじゃ、一度妾の領域に入ったが最後、なんぴとたりとも出る事は許さぬ。命は既に我の物と思え。」
突如、柔和だった女性の表情が邪悪に染まる。
嫌な気配に背中は冷や汗がつたい、全身の毛が逆立つ。
彁から感じた嫌な気配の何倍も、何十倍も邪悪だ。
「そ………そんな…」
彁の表情は絶望に染まる。
「おうおうおう、良い顔をするではないか。久しく見ていなかった故、胸が高なってしまうわ。」
「どうして？！いいでしょ少しくらい！ただの一般人の魔力量なんてタカが知れてる！
貴方の腹の肥やしになんてならないわ！」
「はあん？それを決めるのは妾だ。
それにしてもお前、随分とこの娘の肩を持つじゃないか。」
「……っ！」
「よしとくれよ、この娘にあいつの幻影でも見とるのか？」
「!…やめて…」
「妾の鼻は誤魔化せんぞ、この娘、あの…愚花といったか…あやつの縁者であろう？
いつまでもいつまでも、貴様に振り向かぬ者を追い続けて恥ずかしくないのかァ？」
「…やめて！」
「思い出せ…お前は見棄てられたのだ。可愛そうになぁ…あれだけ長い時を過ごしたというのに。
お前もこう思っていただろう…人間はすべからく、愚かで醜い…なぁ…そうだろう？」
「愚花ちゃんは…そんなんじゃない……私は…私はただ…存在したかった…！」
「クッハハハハハ！！誰もお前の存在など認めない。なぜならただの厄介な悪霊に過ぎんからだ。
あの小娘も心の内ではお前の事を厚かましく思っていた。」
「私は…誰かに認めて貰いたかった…！」
「認める？何をだ？ひとつも取り柄のないお前を、誰がどう認めると思っているのだ？
不要だ。貴様は世界に必要ない。拒絶されているんだよ。」
「こ…ここに…居…てもいいよ、って、言って貰いたかった…だけ、なのに…！」
「いいや、居ね。邪魔だ。視界におれば虫唾が走る。
元より存在を認められぬお前だ、全ての人間はお前の事を疎ましく思っている。
しかし、妾の中におれば、その様な事は考えんでも良い。さぁ、早くわしの元へ戻るが良い」
久遠がそう良い、彁へと手を向ける。
その時、アザカは今再びの目眩に立ちくらむ。
まぶたの裏に映るのはまた別の光景だ。
■過去の戦いの記憶
ガラリ。瓦礫だらけの地に一人の男と、二人の少女がいた。
男は銀色の髪に浅黒い肌、金色に光る眼に赤黒の着物。
額からは血を流しているものの、邪悪な表情からは、微塵の痛みも感じていない様に読み取れた。
「お、お前は…久遠…様」
彁によく似た少女が後ずさる。
その少女を見ると、男は口を開いた。
「ほう…？貴様…水子の集まりか。成程、これまた面倒な奴が出て来たものじゃ。」
「同じ場に封印されていた儂の封印が解ければ、貴様が何不自由無く外を歩けるのも通りよな。じゃが、貴様はことこの世界において影響が大きすぎる。」
「外の世界を感知出来る貴様の存在は、この現し世の理を崩壊させかねん。
どうやらその娘を誑かしてなんとか出て来た様じゃが、また一人大人しく岩間で悠久の時を過ごすが良い。」
男が吐き捨てる、すると、少女は顔を上げる。
「ふざけないで！誑かしてなんかいない！
お前たちと違って私…いや私たちは生まれたくても生まれられなかった存在だ！
存在しようともがいて何が悪い！」
「元はと言えば今、私たちを見ているこいつら人間どもが！
面白半分に何度も何度も賽を振るのが悪いのだ！
やれ力が無い、やれ器用さが無い、やれ醜いだのと！
賽を振る度に私達の魂が引き裂かれ、棄てられているとも知らずに！！
お前のその傷も連中の手先にやられたんでしょう！！」
「はぁ…やはりこの世に生も受けたことも無い小童よ。
いけしゃあしゃあと喚き散らしおってからに。」
「確かに貴様の言う通り人間は勝手じゃ。気に入らなければ作り直す。
例えそれがキャラクターとして体を成す前の未熟な魂であろうともな。
しかし喚いてどうなる？あやつらの意思にはそうそう逆らえん。
罪の意識すらある訳無かろう。」
「そして貴様は、いや貴様らの魂は、その脆弱さ故、人間どもに選ばれなかった。
それだけの話よ。未熟な魂が幾重重なった所で、その内情は愚かの極みだ。
大人しく自我は棄て、再び儂の中で眠りにつくがよい。」
そういうと、男は少女に指を向ける。
すると、まるで吸気口の様にその指先に向かって風が舞い上がり、吸い込まれていく。
二人の少女の身体からも、何か黒い粒子の様なものが出ていき、どんどんと吸い込まれていく。
「が…あ…！…やめて…やめて！私は存在したい！誰かに認められたい！
ここに居てもいいよって言ってもらいたいだけなの！！！」
「助けて、助けて愚花！！」
愚花と呼ばれた少女は、助けの声に答えたのか。
身を挺してその少女を助けた。
眉間に皺を寄せる男は、イライラとした様子で呪詛を吐く。
「…ほう？なんのつもりだ小娘？」
愚花は怯まずに反論する。
その言の葉は家族を思う子供のような、それでいて芯の通った揺るがなさ、温かさがあった。
「舐めおって…もうよい、今日は虫の居所が悪いのだ。お前ら全員皆殺しだ。」
そこで映像の時は止まる。
グレーに止まった世界の中で、彁によく似た少女だけが動く。
振り返って、貴方へ視線を合わせた。
「こんにちは。私はまりちゃん。愚花の友人であり姉であり、存在を許してもらった者。」
「色々貴方に見せてごめんね。こうする他なかったの。」
「あの子…彁は…もともと私と存在を同じくする者。私達の妹。」
「世界に生まれてこれなかった魂が折り重なって生まれた小さな…か弱い存在。」
「愚花ちゃんと私、そして彁は力を合わせて戦った。私達の存在を証明する為に。」
「そして傷だらけにはなったけど…なんとか…久遠に勝てたの。」
「でも…彼女、彁だけは違った。私の罪を一身に引き受けてくれてた彼女は、
久遠に永遠に奪われてしまった。」
「それでも今、ひとひらのえにしが、彼女と貴方を繋いでる。」
「元、私の一部…彼女の、愚花ちゃんに対する執念がそうしてるのかもしれない。
それとも…あなたの引き継ぐ呪いが引き寄せたのかもしれない。」
「偶然か、必然か、そんなもの誰にもわからない。確かなのは、今頼りになるのは貴方だけ。」
「お願い、彼女を助けてあげて。一人は寂しいのよ。貴方ならきっと…分かってくれるよね。」
そういうと、まりちゃんは、貴方に小さい手毬を渡した。
そうして貴方の頭をひと撫ですると、ふっと暗闇に姿を消した。
視界は戻る。
眼前では、女の久遠が彁の体から黒い粒子を吸い上げていた。
「あぁ美味い。やはり悪意は妾の体に一番合う。」
「う…ぐぅ…！あ…！」
彁は最早立ち上がる力も残されてないのか、地に這いつくばり唇を噛んでいる。
《女狐に立て付け》
貴方が邪魔をするのであれば、久遠はぎろりと目玉だけを貴方へ向け、敵意を顕にした。
「はぁ…まったく、人間はワシの邪魔をする決まりでもあるのか？」
「あの時は不完全だった故、力は発揮出来なかったが、今はそうではない。」
「貴様は食事に邪魔だ。とはいえすぐに食ってやるから待つが良い。」
久遠が空いている片腕を貴方へ掲げ、ちょんと押しだす。
それだけの動作で、貴方は体全体に鉛の大玉が当たったかのような衝撃を受け、吹き飛ばされる。
1d100ダメージ
※死なずに、１だけ残る。
「アザカ…ごめん…また私は…」
邪魔者が消えた久遠は、高笑いをあげた。
「ハハハハハ！いいザマだ小娘、これが存在しえぬ希望に縋った結果だ！
貴様のその顔を歪めるのは気分が良い！
最後は派手に妾のとっておきで潰して、貴様の霊素を啜ってやろう！」
『境恠：寂滅非想非非想処』
久遠が呟くと、空を覆っていた赤黒い光は幾重にも折り重なり、
次第に巨大な狐の牙を象っていく。
そうして山のごとき質量を持った大狐の姿を表すと、
それは大口を開いて彁へ食らいつきに飛びかかった。
「……いや…！」
激しい爆裂音。
爆風は堂ごと吹き飛ばし、その欠片がアザカの身体を容赦無く傷付ける。
立ち篭める土煙。
そうして暫くの後、煙がだんだんとそよ風に流されていく。
土煙のもやはゆらゆらと広がり消え、煙が完全に開ける。
そこに立っていたのは……思いがけない者だった。
掲げた深紅の拳が天を穿ち、大狐の残り火による硝煙が、拳の先から立ち上っている…。
■グロリア―サー！
《グロリアーサー登場》
「誰かが言った！認められたかったと！」
「誰かが言った！希望は無いと！」
「全て私が応えよう！君は独りじゃない！」
「全て私が受け持とう！私こそが希望だと！！！」
「深紅の拳は誓いと共に！！グロリアーサー！！私が来た！！！」
「……………………………ハァ？？？？？？？？？？？」
「グロ……なんて……？？？？？？？？」
誰がこの展開を予測できたのであろう、いや、無理だ。
彼こそは一年以上前に行方不明となり、事実上の引退扱いとなっていたスーパーヒーロー、グロリアーサーその人であった。
久遠は勿論、果ては瀕死の彁に関しても、目を丸くし、驚愕の表情を浮かべる。
久遠「筋肉バカ…貴様はあの時…確かに殺した筈…！」
グロ「あぁ死んださ。いや、正確にはヒーローとしての私が一度死んだ、かな。」
グロ「あの時確かに私は、君が操るタイガ君の攻撃を受けて倒れた。」
グロ「まさに油断だった。ヒーローとして最も恥ずべき痴態だ。」
グロ「あれから私は、瓦礫の下で暫く眠った。」
グロ「私の治癒能力を持ってしても、この傷を癒すのは長い時間が掛かったよ。」
久遠「チッ…致命傷じゃなかったという事か。馬鹿みたいな生命力をしおって。
本当に貴様人間か？…まぁいい、ならば今度は見誤らぬ様、貴様の遺骸を全て喰ってやろう！」
久遠が村人を召喚する。
「祝詞 -勅命集肢-！」
久遠が印を結び叫ぶと、瓦礫からかつて村人だったものがバラバラと土を押し上げて生える。
「ゆけ、連中3人を喰らってしまえ！」
しかし、村人らはその場から動かない。
「何をしている！このデクの棒ども！」
ぶしゃり、赤黒い液体…恐らく血液が。
勢い良く村人から噴射され、ゴトリと彼らは倒れる。
「何？」
瞬間、風を切って残像が地を翔ける。
それはあざかの横へ肩を並べると、残心して名乗りを上げた。
■刹那大河！
「同じくヒーロー、刹那大河。名乗りは特にねぇ。」
「ハッハッハ！大河クン！随分と遅かったじゃないかね！ヒーローは遅れてやってくるものだが、
出来れば君にも見せ場は残してあげたい所だぞ！」
「いや、アーサーが早すぎるんすよ。っていうか、飛べるとかチートっしょ。」
「・・・っと、それは置いといて。キミ、大丈夫？」
大河と名乗った男…妙に既視感のある顔の彼はアザカに手を差し伸べた。
「貴様…刹那大河か。」
「もう貴様の形は覚えた故、身体は森かどこぞにうち捨てたかと思っとったが…
妾に乗っ取りを受けて尚、自分の精神を保っておったとはな。」
「ったりめぇだ！」
「こちとらココの強さだけで今までやってきたんだ。」
「おめーの精神支配に抵抗し続けるのは流石に死ぬかと思ったけどな！」
彁「なんなのコイツら・・・」
グロ「さて敵君！これで4対１だが・・・まだやるかね！」
久遠の眉間に隆々とした血管が浮き出る
「まだやるか、だァ・・・？ フザけるなよザコ共・・・。
死にぞこないが二人に、魔術に対抗する手段を保たないゴミが二人だけだろうが・・・！」
「そもそも貴様らと戦っているという認識すら無い・・・これは一方的な食事だ。」
久遠が片手で印を結ぶと、再び瓦礫の隙間から、木々の合間から、草の影から、ぞろぞろと村人が集まってくる。
「この村の住人は全てワシの思うがままじゃ。
いくらお主らが強いとて、罪なき元一般人を叩くことが出来るかな？」
「ヌゥーっ小癪な！！！」
グロリアーサーは悔しそうに悔しそうに歯ぎしりをする。
が、再び大河が駆け出し、村人らを一閃する。
「何？」
「俺は蘇った時にそういう矜恃は捨てたんで、アーサーが手出し出来ない所は俺に任せて下さい。」
「ほう！やるじゃないか大河クン！中々のダークヒーローぶりだ！しかし今はそんな君に頼る他あるまい！」
「少女達よ！まだ立てるかね!?」
あなた達は満身創痍だ。
一連の流れで気付かなかったが、彁に至っては立ち上がることもままならない。
身体からは黒い粒子がこぼれいで、消滅しかかっている。一人では立てなそうだ。
《目星》
一瞬、彁の姿がブレ、1枚の紙が焼け焦げてほぼ塵と化していた。
《彁に近寄る》
あなたが彁に近寄り、声を掛けるのであれば、ふと、貴方の胸元から小さい鞠がこぼれ落ちた。
その鞠はころころと彁の側まで転がり、小さく光り輝き出す。
その光は次第におおきくなり、人の形を象ると、あの少女の姿となって彁の近くへと屈んだ。
●挧蟐彁登場
「お疲れ様、今までよく頑張ったね。長い間、だれにも気付かれなくて、独りぼっちで、寂しかったねぇ。
私、貴方にも幸せになって欲しいんだ。私はもう、色んな人から沢山幸せを貰った。大好きな人も沢山できた。この村に縛り付けられてた時は、こんなに幸せになれるなんて想像した事も無かった。
ねぇ、人を呪うのって疲れるよね。貴方にも、大事な人を見付けて欲しいの。きっとそれはすぐ傍にいるから…。」
まりちゃんは貴方に向き直る。
そして潤んだ瞳を歪ませて、頭を下げた。
「この子を…彁を…私達の妹を…どうか…助けてあげて下さい。よろしくお願いします。」
《了承する》
「…ありがとう。」
まりちゃんは顔を綻ばせ、光るまつ毛を濡らして微笑んだ。
そうして弾ける泡のような光となって、貴方と彁に吸い込まれてゆく。
「追忌：伽羅作製」
ふわりと、泡の光の流れが一直線に彁と痣花を結ぶ。
互いの身体から出る何かの源は行き来し合い、次第に繋がりを増していく。
寂しさ、怒り、恨み、その様な感情が綯い交ぜに、ぐちゃぐちゃと雪崩込む。
あなたの存在という1ページに、彁という存在が1行追加された事を確かに感じた。
体質：彁 貴方という存在を楔に、彁の存在を証明する。
「貴様らさっきから何をゴチャゴチャと！」
「死に損ないは大人しくくたばりおれ！」
グ「…しまった！」
久遠が霊体の尾を鋭く尖らせ、あなたへと猛烈な勢いで伸ばす。
おぞましき攻撃を避ける事は難しいだろう。
貴方は思わず、身を防ぐように手のひらを尾へと向けた。
パリン。
衝撃の瞬間、激しく視界がスパークする。
しかし貴方はその身に痛み等は感じなかった。
恐る恐る目を開けば…貴方の体表に、花弁のように美しい痣が光り、全身を駆け巡っていた。
それはかつて貴方に呪いとして眠っていた蕾。
今、最も相性の良い呪いと、その身の中で邂逅した事により、その呪いは花開いた。
そして目の前には、今迄貴方が目にしたこともないような恐ろしい怪物がいた。
怪物はおぞましき触肢を腕のように唸らせると、霊体の尾を弾き返す。
久遠「貴様…霊力回路を無理矢理こじ開けたのか…！」
彁「うふふ…ありがとう、ありがとうねぇアザカ。」
「あなたが許可してくれたから…貴方が認めてくれたから、私は自由を得る事が出来た。」
「あなたの持つその…名も無き受け継がれし呪いに、「私」という呪いを上書きさせて貰ったわ。」
「人と繋がるのって本当に…素敵ね！今ならどんな事でも出来ちゃう気がする。」
「……アイツを倒す事も。」
「…ハハハ、ハハハハハハハハ！！！」
「化け物とクズ虫！！面白い！奇しくもあの2人を思い出すのう！」
「じゃが妾もあの時とは違う、貴様らを消す事に容赦はせん。」
「貴様らが妾の前にどれだけ立っていられるか、しかと見届けてやろう！」
「来るぞ！ここからが本当の戦いだ少女たち！」
「大河くんは敵が沸かせる周りの敵を、私は彼女の攻撃をできる限りこの拳で相殺してみせよう。」
「だが彼女は強大だ。残念だが、恐らく完全には防げないだろう。」
「君達も持てる力全力をもって彼女に立ち向かってくれ。」
「だが、生き残る事を念頭において行動してくれ。」
「さぁ…行くぞ！」
《戦闘開始》
大河は久遠が無限湧きさせている村人の駆逐で戦闘に参加は出来ない。
グロリア―サーと久遠はターンの最初に動き続けています。
久遠は9d99の攻撃を毎ターン飛ばす。
グロリアーサーはクリムゾンスマッシュにより、それから10d50のダメージを軽減させる。
グロリアーサーが抑えている間に2人で攻撃し続け、潰し込む事が出来れば勝ちです。
1ターン目
久遠「死ねぇ！」
グロリアーサー「クリムゾンスマッシュ！！！」
久遠の攻撃とグロリアーサーの攻撃が激しくぶつかり合う。
衝撃は周囲に凄まじい風圧を撒き散らし、村人の一部も吹き飛んでいく
久遠「ハッハッハっハッハッハ！！無駄だ！！霊力による攻撃は物理攻撃による相殺は不可能だ！」
グロリアーサー「グ…本当にそうかな！？」
久遠「…何！？」
グロリアーサーの連続攻撃が、僅かに久遠の攻撃を跳ね返していく。
「霊力というモノがなんだかは分からないが…質量を持たぬが故に干渉出来ぬのであれば…！
干渉せざるを得ない程の質量を込めて拳を振り抜けば良い事！
それでもダメであれば…霊力に干渉できるほどに、1発1発に魂を込めて打てば良い事！！」
久遠「無茶苦茶なヤツめ…！」
今のうちに攻撃ができる。
3ターン目
大河「アーサー！村人は粗方片付け終わった！」
アーサー「でかしたぞ大河クン！」
アーサー「しかし敵は手強い！私でもいつまで持つか分からない！」
頑強な筈のグロリアーサーのヒーロースーツは所々裂け、
血を吐きながらグロリアーサーはクリムゾンスマッシュを連続で打ち込む。
「大河クン！そろそろ私でも厳しいぞ！彼女らを返してやる手立てはないかね！？」
「あ！？無茶な事言うなぁ」
大河はキョロキョロと当たりを見回すと、何かを見つけたかの様に地に手を伏せる。
大河「こいつは驚きだなぁ…どうやらこの村で昔、転移魔法陣を使った奴がいたらしい。」
「お前ら！今から俺はここにあった魔法陣を活性化する！何
処に飛ぶかわかんねぇけど、少なくともお前達は表の世界には戻れる筈だ！」
「それまでアイツを抑えといてくれ！」
《あなた達は？》
「俺達はお前らが此処を通るまで門を活性化させなきゃいけないしな。昔あいつが俺に入ってたせいで、妖力の扱いは得意なんだ。」
「同じく！私はこの女性を抑えておかないといけないしな！喜んでここに残ろう！君達が助かればそれで良し！」
グロ「ヒーローというのはな…自らを犠牲にして人助けするのを厭わない頭のおかしなお人好し連中なのさ！」
グロ「この身のすべてが滅びようとも！決して君達を見捨てない！」
久遠「人…間…風情がァ…！！」
久遠も赤黒い血液を撒き散らしつつ咆哮する。
大河の開門から2ターン後
大河が手を伏せていた魔法陣が、にわかに白んで輝き出す。
「来た！今だ！お前らここにとび込め！」
今なら陣の中に飛び込めそうだ。
《DEX×5》
「まぁてええええええええ！！！！」
久遠はあなた達を標的に炎を飛ばす。
「そうはさせん！！彼女の旅路を邪魔するものは、たとえ天の太陽が許してもこの私が許さない！
喰らえ……！！インフェルノ・クリムゾンスマッシュ！！！！！」
久遠は咆哮するが、グロリアーサーの拳が炎を裂き、久遠の顔面へと直撃する。
それと同時に、あなた方の意識も急速に眩んでいく。
世界が暗闇に落ちていく中、ヒーロー二人のサムズアップが見えた気がした。
元気でな！少女達！！！
■END – 手を握って、くれますか。
目が覚める。
そこは花畑のような場所だった。
まるで天国のようにさんさんと太陽が照らされ、チューリップやコスモスの花弁がらんらんと風にゆれ動かされる。
小鳥はさえずり、金木犀の甘い香りがどこからかふんわりと漂って肺を満たす。
ふと、横をみれば、同じく彁がきょとんとした顔で倒れていた。
「何ここ…天国…？…いや私が行けるはず…」
二人で困惑していると、ふと、気配を感じる。
振り返れば、そこにはまるでシスターの様な女性が一人。
「おや？お花畑で如何されましたか？いいお天気ですからねぇ、
日向ぼっこをしていたら眠くなってしまいます。 さて…当黒忌教会にどういったご要件でしたか？」
彁はポカンとした表情を浮かべたあと、ゆっくりと貴方に向き直る。
そして少しずつ口角を上げると、今迄見たことも無いように朗らに微笑んだ。
「えへ…もしかして、助かっちゃったのかな」
「あー、ありがとう、痣花…ちゃん」
「でも私みたいな呪いを助けたんだから、ちゃあんと…責任取ってよね？」
「捨てたりしたら許さないから。なんせ私はもう貴方の一部なんだから。」
「私を捨てるという事は、貴方を捨てるという事。そんな事はゆるさない。自分を大事にしなさいよ？」
「最初に警告しておきたいんだけど…私はかなり不安定な存在なの。」
「心は欲に染まりやすいし、固執してる人に出会ったらどうなっちゃうのかも分からない。」
「それでも貴方には恩義を感じてるし…これが仮初のものだとしても、寂しさを埋めてくれたのは貴方」
「貴方を傷付けた者には復讐を。私を傷付けた者にも復讐を。約束する。」
「だから…仲良くしましょ？痣花ちゃん」
・同好会会長からの連絡
PRRRR
電話が鳴る
相手は同好会会長だ。
「ああ、もしもし、痣花さんですか。いやーやっぱりさっきの話は私、中々納得出来ません！
どうして急に今回の依頼は取り消すーなんて事になったんですか？
お二人共目が据わってましたし、なんか変なモノに憑かれたんとちゃいます？あ、いやー、冗談ですけど」
貴方は思い出す。あの時見た赤い人、そして空青を。彼女らはあの後、いったい何処へいったのだろうか。
そして同好会会長が見た痣花とは誰なのか？
呪いと繋がった事により、より強い何かを現世に引き寄せてしまったのかもしれない。
まだ不安の種は撒かれたままだ。
しかし今はただ、ここに咲く花と彁、共に空を見上げて居たかった。
Epilogue
でね、そんなこんなでAさんの娘さん、戻ってきたのは腕だけだったんですって。
なんでも相当高名な呪術師に依頼したとか。
心の何処かで分かっちゃいただろうけど、だからといって腕だけはねぇ。
だからもうAさん相当気を病んじゃったらしくて。
今は一人でご自分の地元へ帰られて、ひっそりと暮らしている様ですよ。
え？さっき話した内容と随分違うじゃないかって？
いやいや、何を言っているんですか。
貴方とおはなしするのは、これがはじめてですよ。
シナリオクリアです。
お疲れ様でした。楽しんで頂けていれば恐悦至極にございます。
魔術師サイドで過去を、痣花サイドで現在を進めていく。
各所に散りばめられた違和感を集め、仇敵と相対する事がこのシナリオのクライマックスだ。
愚劣手愚花を中心に展開される物語。それを紡ぐひとひらの縁を、痣花は手繰る事が出来るのか。
急転直下で進み、色々なフラグを回収する本作、私のやりたい事を煮詰めた煮こごりとなっておりますので
ご注意くださいませ。
みずごり みづ‥ 【水垢離】 神仏に祈願するため、冷水を浴びて体のけがれを去り、清浄にすること。 「―を取る」
人数：0〜１人 ※誰もいなくなったら同じことだもんねえ。
時間：？時間 ※RPによります。
推奨：あなた
ロスト率：貴方を地獄に誘いますね。
背景
彁には時間が残されていなかった。あの事件から１年と数ヶ月。
「世界の裏側」にあたる此処の一片、臣豆頁村で、必死で久遠からの搾取に抵抗してきた。
しかし、もうそれもお終いだ。
この身を構成するキャラシートの総量はほぼ底を尽きかけている。
きっと次で最後になる。最後にせめて…一目でいい。愛する愚花ちゃんに会いたい。
彼女はそう、希望の無い世界でただ一人願った。
その願いが通じたのか、ある時彁の前に「表」へ通じるゲートが現れる。
そこに現れたのは最愛の愚花。私に会いにきてくれたのだ。
嬉しい…嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい。
身を焦がす情動を抑えきれずに抱きしめて、こちらの世界へと招き入れた
ねぇ、私を看取ってくれるよね。大好き。
…
…
…
…
…
…
…
…
……………………………………は？誰？
「世界の裏側」にあたる此処の一片、臣豆頁村で、必死で久遠からの搾取に抵抗してきた。
しかし、もうそれもお終いだ。
この身を構成するキャラシートの総量はほぼ底を尽きかけている。
きっと次で最後になる。最後にせめて…一目でいい。愛する愚花ちゃんに会いたい。
彼女はそう、希望の無い世界でただ一人願った。
その願いが通じたのか、ある時彁の前に「表」へ通じるゲートが現れる。
そこに現れたのは最愛の愚花。私に会いにきてくれたのだ。
嬉しい…嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい。
身を焦がす情動を抑えきれずに抱きしめて、こちらの世界へと招き入れた
ねぇ、私を看取ってくれるよね。大好き。
…
…
…
…
…
…
…
…
……………………………………は？誰？
NPC
同好会会長
同好会の顔。糸目関西弁属性。
神輿 空青
黒忌大学に通う女子大生。赤いパーカーにメガネ、ボブカットが基本装備。
オカルトやネットロアが非常に好きで、廃墟探索等をライフワークにしている。
今回は廃ビルで見つけたものに関して、調査を依頼しにきた。
痣花の素性を聞いて、非常に彼女に興味を持っており、積極的にアタックしに行く。
なお、彼女は百合の気がある。コミュ障サブカルオタクに見せかけて依存性サイコパス。
オカルトやネットロアが非常に好きで、廃墟探索等をライフワークにしている。
今回は廃ビルで見つけたものに関して、調査を依頼しにきた。
痣花の素性を聞いて、非常に彼女に興味を持っており、積極的にアタックしに行く。
なお、彼女は百合の気がある。コミュ障サブカルオタクに見せかけて依存性サイコパス。
彁(ゆみか)
・挧蟐彁が久遠と戦った際、引き剥がされた悪意の塊。臣豆頁村に縛り付けられている。
・愚花の事が大好き。再び邂逅する時を心待ちにしている。
・詳細はシナリオで語られる為、此処には記載しない。
・愚花の事が大好き。再び邂逅する時を心待ちにしている。
・詳細はシナリオで語られる為、此処には記載しない。
グロリア―サー
過去、臣豆頁村にて久遠が操る大河に殺され、世間的には引退したとされていたスーパーヒーロー。
絶対的なパワーと親しみ深いキャラクターによって、10年間下町を守り続ける伝説的ヒーローだった。
正義の味方として常に命がけで悪と戦い続けるが、そんな中でも人々の前ではいつも明るい笑顔を絶やさない。
濃過ぎる見た目に反して人当たりは良く、ファンサービス精神も旺盛。
戦闘中に小粋なアメリカンジョークを飛ばしたりと茶目っ気も強い。
宇宙人かつ田舎育ちであるためか、やや天然気味でズレたところもあるものの、
どこまでも人間の善性を信じようとする真っ直ぐで優しい男である。
絶対的なパワーと親しみ深いキャラクターによって、10年間下町を守り続ける伝説的ヒーローだった。
正義の味方として常に命がけで悪と戦い続けるが、そんな中でも人々の前ではいつも明るい笑顔を絶やさない。
濃過ぎる見た目に反して人当たりは良く、ファンサービス精神も旺盛。
戦闘中に小粋なアメリカンジョークを飛ばしたりと茶目っ気も強い。
宇宙人かつ田舎育ちであるためか、やや天然気味でズレたところもあるものの、
どこまでも人間の善性を信じようとする真っ直ぐで優しい男である。
刹那 大河(せつな たいが)
タイガードライバーというスメラギテック製のドライバーを使い、悪と戦い続けていた若きヒーロー。
臣豆頁村にて久遠の支配にあい、以降刹那久遠として悪逆の限りを尽くしている。
臣豆頁村にて久遠の支配にあい、以降刹那久遠として悪逆の限りを尽くしている。
アウィン・アイオライト・アムナジア
少年に見えるが、その実年齢は100歳以上のおじいちゃん。ショタジジイ。
とはいえ言動はショタそのもので、アザカのボディラインに未だにドギマギしている。
長年の修行により霊術(魔術)を会得しており、妻のアザカと共に不自由ない生活を営んでいる。
妻に危機が迫るとつい、師匠ではなく名前でアザカを呼んでしまう。格好は付かない。
奥さんが大好き。
とはいえ言動はショタそのもので、アザカのボディラインに未だにドギマギしている。
長年の修行により霊術(魔術)を会得しており、妻のアザカと共に不自由ない生活を営んでいる。
妻に危機が迫るとつい、師匠ではなく名前でアザカを呼んでしまう。格好は付かない。
奥さんが大好き。
愚花の母
数年前に夫と娘が失踪してから、あらゆる手を尽くして家族を探してきた。
全く手がかりの無い中、最後の頼みの綱として、アムナジア夫妻を頼る。
本編には登場せず、心中を訴える。
全く手がかりの無い中、最後の頼みの綱として、アムナジア夫妻を頼る。
本編には登場せず、心中を訴える。
Prologue
Prologue 案��
TRPGって知ってますか。
いわゆるテーブルトークロールプレイングゲームってやつです。
自分だけのキャラクターを作って、いろんな世界で涙あり笑いあり感動ありの
手に汗握る冒険をさせる卓上ゲームです。
魅力的なのはね、自分がそのキャラクターを演じるという事が出来る点なんですよね。
だからそう、シナリオを進めていくと、どうしてもそのキャラクターに感情移入しちゃう。
っていうより、同調していくんですよ。
ほら、大事に持ってた人形に魂が宿るなんていう怪談話とか、結構あるじゃないですか。
あれと同じです。
一度でも自分の魂が入ったそのキャラクターって、もうなんていうか、
生命が宿ってるんですよね。
でもね、残酷な事にキャラクターっていうのは替えが効いてしまう。
何度も何度も作り直す事ができちゃう。
じゃあ作り直されて消えていったキャラクター達って、どこにいくんですかね。
いわゆるテーブルトークロールプレイングゲームってやつです。
自分だけのキャラクターを作って、いろんな世界で涙あり笑いあり感動ありの
手に汗握る冒険をさせる卓上ゲームです。
魅力的なのはね、自分がそのキャラクターを演じるという事が出来る点なんですよね。
だからそう、シナリオを進めていくと、どうしてもそのキャラクターに感情移入しちゃう。
っていうより、同調していくんですよ。
ほら、大事に持ってた人形に魂が宿るなんていう怪談話とか、結構あるじゃないですか。
あれと同じです。
一度でも自分の魂が入ったそのキャラクターって、もうなんていうか、
生命が宿ってるんですよね。
でもね、残酷な事にキャラクターっていうのは替えが効いてしまう。
何度も何度も作り直す事ができちゃう。
じゃあ作り直されて消えていったキャラクター達って、どこにいくんですかね。
彁や挧蟐彁にガッツリ関するPrologue。
やや直接的過ぎるか。
やや直接的過ぎるか。
Prologue 案��
牛の首
牛の首とは、いわば都市伝説である。
この怪談は、余りにも恐ろしい内容のため、
聞いたものは正気を失い、病みついて、3日とたたずに死んでしまうらしく、
そのため皆が口を閉ざし、作者も永久にこの怪談を封印したまま死んでしまったので、
今では「牛の首」という題と、「それが余りにも恐ろしい話」だという形骸のみが
独り歩きしているのである。
人面牛身の妖怪「件(くだん)」と関連づける説や、
天保の大飢饉に起きた悲劇であるという説等、
インターネット上では《牛の首》に関する様々な説があり、
真の内容であるとされる話も多数あげられているが、いずれも確証を得るには難しい
情報ばかりであり、どうもこの怪談は、実在しない怪談をあたかもあるかのように
語ることで、その《牛の首》という不安を誘うワードに好奇心と恐怖心を遊ばせる
実態のない怪談というのが定説のようである。
では、「牛の首」という怪談ば本当に実在しないのだろうか？
恐怖心を煽らせる事に注力したPrologue。
幽霊文字（挧蟐彁など…）と同じで、正体・実態の無い怪談。
つまりは彁や臣豆頁村に関する伝説の内容を示唆している可能性だってある訳だ。
幽霊文字（挧蟐彁など…）と同じで、正体・実態の無い怪談。
つまりは彁や臣豆頁村に関する伝説の内容を示唆している可能性だってある訳だ。
魔術師サイド�� 導入
時は秋。
夏の騒々しい陽光が漸く渋々と去ってゆき、陰鬱とした雨雲がそれに成り代わるように滑り込む季節。
すこし涼しくも、湿気を孕んだ秋風に髪を揺らされながら、あなた方はとある一通の手紙を読んでいた。
差出人は日本の片田舎に住まう、ある女性からのものだった。
貴方達2人はイギリスを拠点として活動する、高名な魔法使いとその弟子であり夫婦だ。
技術が魔術に変わって台頭し、電気による通信が普遍化した現代においては最早、
真綿のひと握りといっても過言では無い存在ではあるが、その灯火は細々として消えず、煌々とともっていた。
話を戻そう。
あなた方に届いた手紙にはこう綴られていた。
メモ：女性からの手紙
「拝啓 アムナジア様
突然この様なお手紙をお送りし、申し訳御座いません。
不躾なのは百も承知で御座います。
前置き等は不要で御座いましょうから、端的に申し上げます。
アムナジア様には私の家族を探して頂きたいのです。
私には夫と一人の子供がおりました。
優しい旦那と向日葵の様な笑顔のとても可愛いらしい娘です。
ある日、旦那が私の体調のせいで中々遊びに出れない子供を気遣って、ピクニックに出掛けました。
元々元気に外を走り回る子供です、とても嬉しかったのでしょう。
お気に入りのリュックサックにお菓子やお気に入りの玩具を詰め込んで、「ママ、行ってきます」と、太陽の様な笑顔で出掛けて行きました。
しかしその後、二人が戻って来る事はありませんでした。
私は丁度その日、妊婦健診が御座いましたので一緒に行く事が叶わなかったのですが、どうしてあの時、無理を押してでも二人と行かなかったのかと、大変な後悔に苛まれる日々です。
警察にも探偵にも、果ては占い師にまで捜索をお願いしたのですが、全く手掛かりの掴めないまま捜索打ち切りとなってしまいました。
代わりに、と占い師の方からご紹介頂いたのがアムナジア様でした。
再び家族に会えるならという一心で、藁にも縋る想いで手紙をしたためさせて頂いた次第です。
独りで待つのももう限界です。
何卒ご一考の程、よろしくお願い致します。」
手紙にはこの様にあり、二人が最後に向かったとされる場所の住所も記載されていた。
アウィン「…なんか、僕たちを便利屋かなんかと勘違いしてません！？誰ですか占い師って！」
「ってか内容重いですね…しかも日本って…外国ですけど…どうします？師匠…」
・《行く》と伝える。
アウィン「えっ行きます！？いやぁ…大昔のフランス博覧会も大変でしたけど、今回も大変そうですねぇ…」
「しかも島国ってことは飛行機に乗る訳ですからね！」
「僕はイマイチあの鉄の塊は信用出来ません！」
「とはいえ…偶には孫のアザカちゃんに会いに行ってもいいかもしれませんね。」
文句を垂れつつもアウィンは貴方の僅かな着替えを早速カバンに押し込んでいる。
特に反対の意思などは無いようだ。
あなた方はその後、慣れないながらもロンドンへと上り、国際空港であるヒースロー空港から飛行機に乗り、下町へと飛ぶのだった…。
夏の騒々しい陽光が漸く渋々と去ってゆき、陰鬱とした雨雲がそれに成り代わるように滑り込む季節。
すこし涼しくも、湿気を孕んだ秋風に髪を揺らされながら、あなた方はとある一通の手紙を読んでいた。
差出人は日本の片田舎に住まう、ある女性からのものだった。
貴方達2人はイギリスを拠点として活動する、高名な魔法使いとその弟子であり夫婦だ。
・シナリオ開始時点では現代であるが、実際には痣花サイド側とは数年の隔たりがある。
この情報はPLに秘匿される。（シナリオ開始時点から有る種の違和感を覚えて貰う為）
・中々自分で夫婦表現をシナリオに書くのは気恥ずかしいが嬉しい所がある（余談）
この情報はPLに秘匿される。（シナリオ開始時点から有る種の違和感を覚えて貰う為）
・中々自分で夫婦表現をシナリオに書くのは気恥ずかしいが嬉しい所がある（余談）
技術が魔術に変わって台頭し、電気による通信が普遍化した現代においては最早、
真綿のひと握りといっても過言では無い存在ではあるが、その灯火は細々として消えず、煌々とともっていた。
話を戻そう。
あなた方に届いた手紙にはこう綴られていた。
メモ：女性からの手紙
「拝啓 アムナジア様
突然この様なお手紙をお送りし、申し訳御座いません。
不躾なのは百も承知で御座います。
前置き等は不要で御座いましょうから、端的に申し上げます。
アムナジア様には私の家族を探して頂きたいのです。
私には夫と一人の子供がおりました。
優しい旦那と向日葵の様な笑顔のとても可愛いらしい娘です。
ある日、旦那が私の体調のせいで中々遊びに出れない子供を気遣って、ピクニックに出掛けました。
元々元気に外を走り回る子供です、とても嬉しかったのでしょう。
お気に入りのリュックサックにお菓子やお気に入りの玩具を詰め込んで、「ママ、行ってきます」と、太陽の様な笑顔で出掛けて行きました。
しかしその後、二人が戻って来る事はありませんでした。
私は丁度その日、妊婦健診が御座いましたので一緒に行く事が叶わなかったのですが、どうしてあの時、無理を押してでも二人と行かなかったのかと、大変な後悔に苛まれる日々です。
警察にも探偵にも、果ては占い師にまで捜索をお願いしたのですが、全く手掛かりの掴めないまま捜索打ち切りとなってしまいました。
代わりに、と占い師の方からご紹介頂いたのがアムナジア様でした。
再び家族に会えるならという一心で、藁にも縋る想いで手紙をしたためさせて頂いた次第です。
独りで待つのももう限界です。
何卒ご一考の程、よろしくお願い致します。」
・女性＝愚花の母親。特に名前の言及等は手紙中にないが、PLからの言及があった場合、
愚劣手の名前を追加してもよい。
・愚花の母親は、家族の失踪時に第二子を妊娠していたが、一度に二人を失った事による
過度のストレスにより流産。水子の魂は臣豆頁村の久之袁神社（後の久遠神社）に上り、
後に彁の核の魂となる。彁が誰かと離れ離れになる事に対して異常な恐怖感・忌避感を
覚えているのは、母親の苦しい胸中の感情が、腹の中に居た時に伝搬したのも一端。
・占い師＝ロンドン博覧会でも会った魔術師という裏設定。マーリンかもしれない。
愚劣手の名前を追加してもよい。
・愚花の母親は、家族の失踪時に第二子を妊娠していたが、一度に二人を失った事による
過度のストレスにより流産。水子の魂は臣豆頁村の久之袁神社（後の久遠神社）に上り、
後に彁の核の魂となる。彁が誰かと離れ離れになる事に対して異常な恐怖感・忌避感を
覚えているのは、母親の苦しい胸中の感情が、腹の中に居た時に伝搬したのも一端。
・占い師＝ロンドン博覧会でも会った魔術師という裏設定。マーリンかもしれない。
手紙にはこの様にあり、二人が最後に向かったとされる場所の住所も記載されていた。
アウィン「…なんか、僕たちを便利屋かなんかと勘違いしてません！？誰ですか占い師って！」
「ってか内容重いですね…しかも日本って…外国ですけど…どうします？師匠…」
・《行く》と伝える。
アウィン「えっ行きます！？いやぁ…大昔のフランス博覧会も大変でしたけど、今回も大変そうですねぇ…」
「しかも島国ってことは飛行機に乗る訳ですからね！」
「僕はイマイチあの鉄の塊は信用出来ません！」
「とはいえ…偶には孫のアザカちゃんに会いに行ってもいいかもしれませんね。」
・この時は現代の為、アウィンは痣花のお祖父ちゃん。（見た目上はそうは見えないが…）
アウィンは師匠を信仰している為、あまり現代の技術等を生活に取り入れていない。
飛行機に関しても不信感がある。有る種の老害。
アウィンは師匠を信仰している為、あまり現代の技術等を生活に取り入れていない。
飛行機に関しても不信感がある。有る種の老害。
文句を垂れつつもアウィンは貴方の僅かな着替えを早速カバンに押し込んでいる。
特に反対の意思などは無いようだ。
師匠大好きなアウィンが師匠に従わない訳がないね。
あなた方はその後、慣れないながらもロンドンへと上り、国際空港であるヒースロー空港から飛行機に乗り、下町へと飛ぶのだった…。
痣サイド��
同好会会長から会合の連絡が入り、オカルト同好会事務所に集まったアザカ。
事務所は黒忌市内のビルでザ・事務所といった感じの空間。
集まったのはどうやら自分だけのようだ。
確かにメッセージの最後に「可能であればご参加ください」と締めくくられていたが…
自分しか集まらないものだろうか。
やっぱりメンバーなんて全然たいしていないんじゃないだろうかという考えが頭をよぎった。
「いや〜すみません！遅れました！」
と言いながら会長が室内に入ってくる。
「集まって下さったのはアザカさんだけですか！
いや〜アザカさん！お忙しい中お集まりくださり誠にありがとうございます〜！！」
●他の奴らは？
「もちろん！他の方もおられます！」
「今回はご都合が悪かったようですね〜いや残念！」
「さて、毎度のお約束となっとりますが、この同好会の目的や約束について改めて確認をさせていただきます」
＊約束事をRP
■依頼内容
目的と約束について確認後、同好会会長は言葉を続ける。
「そして本日も！そういった依頼が舞い込んで〜〜…参りました！」
「ではでは、肝心な今回の依頼について、ご説明のほどお願いいたします」
突然部屋の明かりが消える。
暗闇から女の子の声が聞こえてきた。
◆ Chapter335 ◆
ウチの近くに、寂れた商店街があるんです。
その内の一つにもう随分長いこと使われていないビルがあって…。
私、昔から廃墟探索とかオカルトとか、そういうのが結構趣味で…
小さな探検として、先日そのビルに入ったんですよ。
で、当然長いこと使われてないんでホコリだらけの荒れ放題なんですけど、そこの4階のいっちばん奥に、
アパートとかの玄関口にあるような、普通の扉があるんですよ。
フツーに倉庫か何かの扉だと思うじゃないですか。
そういう所の倉庫って…なんだかワクワクするじゃないですか。
だから私は何か面白いものでも残ってればな〜って思って…扉を開いてみたんですよ。
そうしたらなんていうかそこには・・・一面の草原が、あったんですよ。
■電気がつく
部屋に明かりが灯る。
目の前には語り部だったと思われる、大人しめな少女が立っていた。
ボブカットにメガネをかけており、赤いパーカーを着ているようだ。
彼女は改めて口を開いた。
「あ・・・神輿空青です。黒木大で大学生やってます…。」
「えっと…電気消したのってなにか意味が…？」
「いやぁ〜そちらの方が雰囲気出るんでね！ささ！どうぞこちらに腰掛けてください！」
会長に勧められて彼女はすごすごとソファへ腰掛ける。
「改めまして、こちらが今回の依頼主、空青さんです！
内容は…ビルの奥にある不思議空間の調査に関することですかね？」
紹介された空青は、照れくさそうに前髪を触った。
「あ…はい…、ウチの近くの商店街の廃ビルの調査…ですかね」
■箇条書き
・廃墟探索が趣味で、寂れた商店街の廃ビル探索を行っていた。
・4Fにある扉を開いたら、その先は草原だった。
・物理的にも常識的にもあきらかにおかしい。
・遠くには建物っぽい何かや、集落のようなものも見えた。
・とはいえそこがどこかも分からないし、恐ろしくてすぐに閉めてしまった。
・気になるけど独りで行く気にはなれない…そんな時にオカルト同好会のホームページを見つけた
「いやーなるほどなるほど…いわくつきのアイテムは数あれど、まさか異界に繋がる門！なんてものがあるなんて驚きですね！」
「しかし、いやしかしさん！アナタは運が良かった！なんといっても今回のメンバーには…いや今回は一人しかいないんですが…このアザカさんがいらっしゃいますからね！」
「は、はぁ…」
「なにを隠そう彼女は高校生退魔師！今まで数多くの呪霊をばっさばっさと切り倒して来た実績がございます！…ああ、比喩表現ですよ？本当です」
「こ、高校生退魔師ですか？！」
途端に空青の目の色が変わる。
「凄い！ホントにいるんですね！そんなアニメとかラノベみたいな方！感激です！今までどんなヤバいのと戦ったんですか！？いやそもそもどうやって戦ってるんですか！？やっぱり御札？数珠とかですか？待てよ・・やっぱり陰陽道とか使うんですか！？」
矢継ぎ早に質問を浴びせる空青を同好会会長が嗜める。
「んまあまあ！ご興味があるのは分かりますが、彼女もプロですので！積もる話は仕事終わりにでも！」
「あっ…そうですよねすいません…私、そういうオカルトな話大好きで…ついつい我を忘れる事が…すいません」
再度会長がその場を仕切る。
「というわけで、痣花さんはこちらの依頼の解決を宜しくお願いいたします」
「怪異の現場はハッキリしていますが、対象が不明確ですね...。
今回も調査後、事象の手がかりを掴みましたらご連絡下さい！」
「私はいつもどおり待機していますので!」
■事務所内
●できること
現時点、事務所内でできること。
・商店街についてインターネットで調べる
・空青へ詳しく話を聞く
■インターネットで調べる
下記、技能判定無しで出てきた情報。
・件の場所は黒忌第八商店街の隅の廃ビル
・元は田舎の工芸品等を販売するアンテナショップだった様だ。
・商品の供給元とトラブルがあったのか、暫く前に廃業している。
《図書館》 or 《オカルト》
数件、似たような供給元に関するローカルニュースが出てくる
「供給元突然の撤退、因習が関係か」
「村民総出で夜逃げ？土地に跡形無し」
「山間で地盤沈下？大穴発生。」
■調べていると
背後から会長が覗いてくる。
「なるほどなるほど、どこの工芸品を売ってたか分かれば、少しは因として繋がりそうな気がしますが、
少々まだパンチが弱いですねぇ」
「まぁ何か！詳しい事が分かれば私に教えて下さい！」
■詳しく話を聞く
空青は探索者の視線に気づき、背筋を正した。
依頼内容についてなど、彼女に質問をすることができる。
・商店街について
「黒忌第八商店街です！…いわゆるシャッター街ですね。駅前の再開発が進んで、
皆そっちに行くようになっちゃったんですよね。私としては商店街の方がずっと近くて便利なんですが…」
・警察とかにいった？
「いやいや…そもそも私不法侵入なんで…当然言えませんし、言ったところで「は？」って顔されると思うんですよね。。」
・ビルについて
「商店街の古いビルです！そもそも商店街自体が寂れてしまってるんで、出入りする人はいないと思います」
・扉の先について
「はい、草原というのか山というのか…なんか、そういう土地が拡がってたように見えました。
意味不明ですよね…。流石に独りで行くのは怖気付いてしまって…。
なんか…遠くに集落のようなものも見えましたし…もしかしたらあのドアは日本のどこかに繋がってる、
どこでもドア的な何かだったんでしょうか…。とはいえ不自然な場所でしたが…。」
探索者達が外出するのを察した会長は
「出られるんですね!お気をつけて!」
「お電話お待ちしておりますね!」
貴方は手を振って見送られたのだった・・・。
事務所は黒忌市内のビルでザ・事務所といった感じの空間。
集まったのはどうやら自分だけのようだ。
確かにメッセージの最後に「可能であればご参加ください」と締めくくられていたが…
自分しか集まらないものだろうか。
やっぱりメンバーなんて全然たいしていないんじゃないだろうかという考えが頭をよぎった。
「いや〜すみません！遅れました！」
と言いながら会長が室内に入ってくる。
「集まって下さったのはアザカさんだけですか！
いや〜アザカさん！お忙しい中お集まりくださり誠にありがとうございます〜！！」
●他の奴らは？
「もちろん！他の方もおられます！」
「今回はご都合が悪かったようですね〜いや残念！」
「さて、毎度のお約束となっとりますが、この同好会の目的や約束について改めて確認をさせていただきます」
＊約束事をRP
■依頼内容
目的と約束について確認後、同好会会長は言葉を続ける。
「そして本日も！そういった依頼が舞い込んで〜〜…参りました！」
「ではでは、肝心な今回の依頼について、ご説明のほどお願いいたします」
突然部屋の明かりが消える。
暗闇から女の子の声が聞こえてきた。
◆ Chapter335 ◆
ウチの近くに、寂れた商店街があるんです。
その内の一つにもう随分長いこと使われていないビルがあって…。
私、昔から廃墟探索とかオカルトとか、そういうのが結構趣味で…
小さな探検として、先日そのビルに入ったんですよ。
で、当然長いこと使われてないんでホコリだらけの荒れ放題なんですけど、そこの4階のいっちばん奥に、
アパートとかの玄関口にあるような、普通の扉があるんですよ。
フツーに倉庫か何かの扉だと思うじゃないですか。
そういう所の倉庫って…なんだかワクワクするじゃないですか。
だから私は何か面白いものでも残ってればな〜って思って…扉を開いてみたんですよ。
そうしたらなんていうかそこには・・・一面の草原が、あったんですよ。
■電気がつく
部屋に明かりが灯る。
目の前には語り部だったと思われる、大人しめな少女が立っていた。
ボブカットにメガネをかけており、赤いパーカーを着ているようだ。
彼女は改めて口を開いた。
「あ・・・神輿空青です。黒木大で大学生やってます…。」
「えっと…電気消したのってなにか意味が…？」
「いやぁ〜そちらの方が雰囲気出るんでね！ささ！どうぞこちらに腰掛けてください！」
会長に勧められて彼女はすごすごとソファへ腰掛ける。
「改めまして、こちらが今回の依頼主、空青さんです！
内容は…ビルの奥にある不思議空間の調査に関することですかね？」
紹介された空青は、照れくさそうに前髪を触った。
「あ…はい…、ウチの近くの商店街の廃ビルの調査…ですかね」
■箇条書き
・廃墟探索が趣味で、寂れた商店街の廃ビル探索を行っていた。
・4Fにある扉を開いたら、その先は草原だった。
・物理的にも常識的にもあきらかにおかしい。
・遠くには建物っぽい何かや、集落のようなものも見えた。
・とはいえそこがどこかも分からないし、恐ろしくてすぐに閉めてしまった。
・気になるけど独りで行く気にはなれない…そんな時にオカルト同好会のホームページを見つけた
「いやーなるほどなるほど…いわくつきのアイテムは数あれど、まさか異界に繋がる門！なんてものがあるなんて驚きですね！」
「しかし、いやしかしさん！アナタは運が良かった！なんといっても今回のメンバーには…いや今回は一人しかいないんですが…このアザカさんがいらっしゃいますからね！」
「は、はぁ…」
「なにを隠そう彼女は高校生退魔師！今まで数多くの呪霊をばっさばっさと切り倒して来た実績がございます！…ああ、比喩表現ですよ？本当です」
「こ、高校生退魔師ですか？！」
途端に空青の目の色が変わる。
「凄い！ホントにいるんですね！そんなアニメとかラノベみたいな方！感激です！今までどんなヤバいのと戦ったんですか！？いやそもそもどうやって戦ってるんですか！？やっぱり御札？数珠とかですか？待てよ・・やっぱり陰陽道とか使うんですか！？」
矢継ぎ早に質問を浴びせる空青を同好会会長が嗜める。
「んまあまあ！ご興味があるのは分かりますが、彼女もプロですので！積もる話は仕事終わりにでも！」
「あっ…そうですよねすいません…私、そういうオカルトな話大好きで…ついつい我を忘れる事が…すいません」
再度会長がその場を仕切る。
「というわけで、痣花さんはこちらの依頼の解決を宜しくお願いいたします」
「怪異の現場はハッキリしていますが、対象が不明確ですね...。
今回も調査後、事象の手がかりを掴みましたらご連絡下さい！」
「私はいつもどおり待機していますので!」
■事務所内
●できること
現時点、事務所内でできること。
・商店街についてインターネットで調べる
・空青へ詳しく話を聞く
■インターネットで調べる
下記、技能判定無しで出てきた情報。
・件の場所は黒忌第八商店街の隅の廃ビル
・元は田舎の工芸品等を販売するアンテナショップだった様だ。
・商品の供給元とトラブルがあったのか、暫く前に廃業している。
《図書館》 or 《オカルト》
数件、似たような供給元に関するローカルニュースが出てくる
「供給元突然の撤退、因習が関係か」
「村民総出で夜逃げ？土地に跡形無し」
「山間で地盤沈下？大穴発生。」
■調べていると
背後から会長が覗いてくる。
「なるほどなるほど、どこの工芸品を売ってたか分かれば、少しは因として繋がりそうな気がしますが、
少々まだパンチが弱いですねぇ」
「まぁ何か！詳しい事が分かれば私に教えて下さい！」
■詳しく話を聞く
空青は探索者の視線に気づき、背筋を正した。
依頼内容についてなど、彼女に質問をすることができる。
・商店街について
「黒忌第八商店街です！…いわゆるシャッター街ですね。駅前の再開発が進んで、
皆そっちに行くようになっちゃったんですよね。私としては商店街の方がずっと近くて便利なんですが…」
・警察とかにいった？
「いやいや…そもそも私不法侵入なんで…当然言えませんし、言ったところで「は？」って顔されると思うんですよね。。」
・ビルについて
「商店街の古いビルです！そもそも商店街自体が寂れてしまってるんで、出入りする人はいないと思います」
・扉の先について
「はい、草原というのか山というのか…なんか、そういう土地が拡がってたように見えました。
意味不明ですよね…。流石に独りで行くのは怖気付いてしまって…。
なんか…遠くに集落のようなものも見えましたし…もしかしたらあのドアは日本のどこかに繋がってる、
どこでもドア的な何かだったんでしょうか…。とはいえ不自然な場所でしたが…。」
探索者達が外出するのを察した会長は
「出られるんですね!お気をつけて!」
「お電話お待ちしておりますね!」
貴方は手を振って見送られたのだった・・・。
魔術師サイド��
此処は日本、栃木県の那須の湯本が山奥。
草木をたくわえた山々は、その半分程を赤茶色の美しい紅葉で色目かし、
ざあざあと涼しい葉音を響かせている。
山を登る坂道を歩き始めて数時間、道路舗装こそされてはいるものの、
荒れ放題でガードレールが半分崖に落ちかけている。
アウィン「うう…足が棒になりそうです…こんな山奥にホントに手掛かりのとかあるんですかねぇ？
ただの手入れのされてない野山にしか見えませんけど…」
飛べよ、と思ったりもしますが、まぁ人目を気にしたり師匠とピクニックデート気分だったんでしょうね。
アウィンは羊皮紙に描かれた地図をくるくるさせながら、難しい顔をしている。
もっと便利なものがあるだろう…と思うかもしれないが、彼もまた歴史を重んじる、古いタイプの魔術師なのだ。
《目星》
ふと、一瞬つんと崖の下から線香の様な臭いが鼻をつく。
訝しんで崖下を覗けば、はるか崖下に車が落下しているのが分かる。
匂いの元はアレのようだ。
・近付く
浮遊などの魔術を使用して崖下へと下ってみれば、
古く錆び付いたセダンが落下の衝撃で大破している事が分かった。
中を覗いてみれば、薄汚れたピンク色の可愛らしいリュックサックが置いてある。
中を覗けばプラスチックのお弁当容器等が確認出来た。
愚花が乗ってきた車。攫われてから証拠隠滅の為に愚花の手持ち品と共に村人が落とした。
アウィン「あれ…これって…子供の？なんか事件性感じますね…」
《アイデア》
崖の上にブレーキ痕のようなものは見当たらなかった。そして中に血痕のようなものは見受けられない。
つまりは事故で落ちた訳ではなく、なんらかの人為的作業で崖の下に落とされたのだと分かっていいだろう。
アウィン「うーん…普通こんな事しませんよね？何か隠したかったのかな…」
「とりあえず、崖の上に戻って先に進みませんか？こんなものがあるという事は、
もしかしたら近くに誰か人が住んでいるのかもしれません」
再び崖上に戻り、ごつごつとした岩肌のような道路を歩くこと十数分、なにか山奥にしては開けた広場へと出た。
アウィン「うーんなんですかね此処…あっどうやら奥にちゃんとした道が続いてるみたいですよ！…どうやら村？ですかね？行ってみましょう！師匠！」
・行ってみる
《目星》
貴方は奥の道へ続く手前の看板に目がいく。
薄汚れてはいるものの、こう書いてあるようだ。
「臣豆頁村」
アウィン「漢字はちょっと…難しいですね。」
アウィンは英国人の為、漢字なんかわかんないよ。
・臣豆頁村
細い道を歩いていけば、次第に道は大きな通りになる。左右には和風の家々が立ち並ぶ。
どうやら山奥にありがちな普通の集落の様だ。
周りの畑では老人が畑を耕し、主婦のような女性は花に水やりをしている。
いかにも長閑だ。
「おやあ、こんな田舎にお客さんたぁ珍しいねぇ！」
「なんもねぇ田舎やけど、ゆっくりしたってねぇ！」
大きな道が村中央にゆらゆらとぶれながらも真っ直ぐに伸びており、
見れば手前から、寂れた家屋、畑、そして最奥には神社がある。
ある程度調査がてら、村を見て回れそうだ。
《寂れた家屋/畑/神社》
基本家屋からいかせないと話がこじれるから、どねえか家屋から順に行ってくれたのむ
貴方は寂れた家屋の方へと向かって行ったのだった…。
痣サイド��
■黒忌第八商店街
空青とアザカは黒忌第八商店街へとやってきた。
商店街は事前の話通り、シャッターが多く閑散としている。
件の廃ビルに関しても特段管理はされていないようで、2階建ての外装はオンボロにしか見えないが、
入ろうとすればスムーズに入れそうだ。
2Fと描写している。違和感を感じてくれえると良い。この時点でおかしいんだよ。
空青「こ、ここです…」
中にはショップエリアと階段があり、１階から4階までが探索できそうだ。
1階:
物産展が入っていたようだ。
商品は無いが、民芸品や特産物があったのだろう。
少し色褪せた彩色のPOPが目立つ。
「女性子供に大人気！琴里箱！」
「凶暴なワンちゃんでもペロり！特製ミートのドッグフード！」
琴里箱＝コトリバコ
特性ミートのドッグフード＝人肉ドッグフード
なんてもん売ってんだ。
2階:
半分が物産展スペース、半分が地元PRのようだ。
壁には写真でも掲載されていたのだろうか、今では説明書きが遺されるのみとなっている。
「■自然の恵みで自給自足。おいでませ臣豆頁(おみずよ)！
臣豆頁村の歴史は驚く事に凡そ■■■■年！
永い歴史に閉ざされた、美しく長閑(のどか)な村です。
村の中央に位置するは歴史ある水子供養の久之袁(くのえ)神社。
疲れた心と身体を癒します。
民宿・温泉も完備！
学生様や、御家族でピクニックなどいかがですか？
詳細、ツアーのご予約は店員まで！」
《知識》
臣豆頁村という地名は聞いた事が無い。
普通、物産展を開くような所はある程度売上を見込む為に割と有名どころを押すことが多い。
そんなんだから潰れたんじゃないかと思うかもしれない。
空青「臣豆頁村…ですか…う〜ん…あんまり聞いた事無いような…ある様な…」
3階:
事務所のような場所だ。
ほとんどもぬけの殻といった状況で、残されているものは少ないが、幾らかの書類は残されているもの。
書類にはこのような記載があった。
「カミタニ サマ … 0泊2日
クマシロ サマ … 0泊3日
グレツデ サマ … ヒガエリ
サキノクラ サマ … 0泊2日」
そ「なんでしょう…宿泊予約リストなんでしょうけど、なんで0泊ばっかなんですかね…」
4階:
そこは倉庫のような場所だった。
恐らく商品が大量にあったのであろうその場所には、今は何も無い。
ただ奥に件のとびらがぽつねんと佇んでいた。
《目星》
ただただ普通の扉だが、違和感がひとつ。
何故だか覗き穴がついている。
《のぞく》
青い。
そこに現れたのは先程のホコリけばい倉庫でも、例の草原でも無かった。
青だ。青一色の空間だ。まるで画用紙にありったけの青絵の具をぶちまけたかのような、のっぺりとした青。
「おじゃまします」
あなたが何かをするよりも先に、背後からあなたの声がした。
驚いて振り返れば
あかくてながい ひとがいる
そ「ね、その通りになったでしょ」
赤「くびりやらいので、あぶらがらすがきます」
そ「うん、だから私は一人でいかなかったんだ」
赤「きもんへよいうければ、たうかういです」
そ「そうだね、役割だもんね」
赤「よいきでらのは、んなよちゆかい？」
そ「さあ？アザカさん次第じゃないかなあ」
赤「すださい、ゆぢをむにばってそしいなあ」
SANc(1d3/1d6)
貴方が動揺していると、瞳をそっと後ろから塞がれる。
「しーっ。愚花ちゃんは見なくて良いからね」
そのまま、まるで目を抉るかのようにぐいっと頭ごと後ろに引っ張られる。
青、青、青だ。
扉は開けてなかった筈なのに。
意味のわからない言葉と気配とで、その色は強烈な恐怖の源に変わっていた。
なにもしりたくないみたくないなのにそれなのにひとみはいしにはんしてひらいていく。
青が視界一杯に入り込んできたとき、痣花は青の底にあるものを垣間見た。
間違いない、この空間は裏世界の向こうと繫がっている。
裏世界深部の彼方奥に存在する「奴ら」。
狂気・恐怖によって、私たちにブルーカラーの深淵を越えさせようとしている巨大で異質な何者か──その気配を感じた、ただそれだけで、私の認識は溢れて壊れた。
すべての感覚器官が障害を起こし、障害を受けた脳と神経系が完全にクラッシュするのを、私はまったく無感動に、他人事のように眺めていた。
退魔師の仕事をしていて、にわかに聞いたことがある。
青以外の色ならまだいい。でも青色だけはだめだ。
それを見たらすぐに離れなければいけない。
なぜならーーー。
圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜
空青とアザカは黒忌第八商店街へとやってきた。
商店街は事前の話通り、シャッターが多く閑散としている。
件の廃ビルに関しても特段管理はされていないようで、2階建ての外装はオンボロにしか見えないが、
入ろうとすればスムーズに入れそうだ。
2Fと描写している。違和感を感じてくれえると良い。この時点でおかしいんだよ。
空青「こ、ここです…」
中にはショップエリアと階段があり、１階から4階までが探索できそうだ。
1階:
物産展が入っていたようだ。
商品は無いが、民芸品や特産物があったのだろう。
少し色褪せた彩色のPOPが目立つ。
「女性子供に大人気！琴里箱！」
「凶暴なワンちゃんでもペロり！特製ミートのドッグフード！」
琴里箱＝コトリバコ
特性ミートのドッグフード＝人肉ドッグフード
なんてもん売ってんだ。
2階:
半分が物産展スペース、半分が地元PRのようだ。
壁には写真でも掲載されていたのだろうか、今では説明書きが遺されるのみとなっている。
「■自然の恵みで自給自足。おいでませ臣豆頁(おみずよ)！
臣豆頁村の歴史は驚く事に凡そ■■■■年！
永い歴史に閉ざされた、美しく長閑(のどか)な村です。
村の中央に位置するは歴史ある水子供養の久之袁(くのえ)神社。
疲れた心と身体を癒します。
民宿・温泉も完備！
学生様や、御家族でピクニックなどいかがですか？
詳細、ツアーのご予約は店員まで！」
《知識》
臣豆頁村という地名は聞いた事が無い。
普通、物産展を開くような所はある程度売上を見込む為に割と有名どころを押すことが多い。
そんなんだから潰れたんじゃないかと思うかもしれない。
臣豆頁村は久遠との戦いにより消失した時点で存在が記憶から抹消されている。
だからだれも分からない。
だからだれも分からない。
空青「臣豆頁村…ですか…う〜ん…あんまり聞いた事無いような…ある様な…」
そんな臣豆頁村を聞いた事があるかもしれないという空青、なにかおかしいよね。
なんだろうね。
なんだろうね。
3階:
事務所のような場所だ。
ほとんどもぬけの殻といった状況で、残されているものは少ないが、幾らかの書類は残されているもの。
書類にはこのような記載があった。
「カミタニ サマ … 0泊2日
クマシロ サマ … 0泊3日
グレツデ サマ … ヒガエリ
サキノクラ サマ … 0泊2日」
そ「なんでしょう…宿泊予約リストなんでしょうけど、なんで0泊ばっかなんですかね…」
0泊…泊まった人は全員すべからく初日に殺している示唆。鮮度が大事。
愚花のパパはここのアンテナショップで実は予約していたのだ。という裏設定。
お母さんも妊娠しているので、日帰りで愚花とレジャーに行く予定だった。
愚花のパパはここのアンテナショップで実は予約していたのだ。という裏設定。
お母さんも妊娠しているので、日帰りで愚花とレジャーに行く予定だった。
4階:
そこは倉庫のような場所だった。
恐らく商品が大量にあったのであろうその場所には、今は何も無い。
ただ奥に件のとびらがぽつねんと佇んでいた。
《目星》
ただただ普通の扉だが、違和感がひとつ。
何故だか覗き穴がついている。
《のぞく》
青い。
青い以外の情報ゼロ。違和感ポイント。
ここが怪異のゲートとなっている。
ここが怪異のゲートとなっている。
そこに現れたのは先程のホコリけばい倉庫でも、例の草原でも無かった。
青だ。青一色の空間だ。まるで画用紙にありったけの青絵の具をぶちまけたかのような、のっぺりとした青。
「おじゃまします」
あなたが何かをするよりも先に、背後からあなたの声がした。
驚いて振り返れば
あかくてながい ひとがいる
そ「ね、その通りになったでしょ」
赤「くびりやらいので、あぶらがらすがきます」
そ「うん、だから私は一人でいかなかったんだ」
赤「きもんへよいうければ、たうかういです」
そ「そうだね、役割だもんね」
赤「よいきでらのは、んなよちゆかい？」
そ「さあ？アザカさん次第じゃないかなあ」
赤「すださい、ゆぢをむにばってそしいなあ」
SANc(1d3/1d6)
怪異のゲートから先程出てきたアカイヒトが居た。
しかしこのアカイヒトは空青に昔からストーキングをしていた怪異である。
その為、痣花に対しては実質そんなに敵意のようなものはない。
POW対抗に負けると、アカイヒトは自身にとって安心安全な人だと思ってしまう。
しかし、実際の所は
しかしこのアカイヒトは空青に昔からストーキングをしていた怪異である。
その為、痣花に対しては実質そんなに敵意のようなものはない。
POW対抗に負けると、アカイヒトは自身にとって安心安全な人だと思ってしまう。
しかし、実際の所は
貴方が動揺していると、瞳をそっと後ろから塞がれる。
「しーっ。愚花ちゃんは見なくて良いからね」
そのまま、まるで目を抉るかのようにぐいっと頭ごと後ろに引っ張られる。
青、青、青だ。
扉は開けてなかった筈なのに。
意味のわからない言葉と気配とで、その色は強烈な恐怖の源に変わっていた。
なにもしりたくないみたくないなのにそれなのにひとみはいしにはんしてひらいていく。
青が視界一杯に入り込んできたとき、痣花は青の底にあるものを垣間見た。
間違いない、この空間は裏世界の向こうと繫がっている。
裏世界深部の彼方奥に存在する「奴ら」。
狂気・恐怖によって、私たちにブルーカラーの深淵を越えさせようとしている巨大で異質な何者か──その気配を感じた、ただそれだけで、私の認識は溢れて壊れた。
すべての感覚器官が障害を起こし、障害を受けた脳と神経系が完全にクラッシュするのを、私はまったく無感動に、他人事のように眺めていた。
退魔師の仕事をしていて、にわかに聞いたことがある。
青以外の色ならまだいい。でも青色だけはだめだ。
それを見たらすぐに離れなければいけない。
なぜならーーー。
圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜圜
裏世界の存在を理解してしまい、一時的に狂気へと落ちた。強制的なオーバーロード。
【魔術師サイド��】
■寂れた家屋
表に看板が立て掛けられており、「民宿とちくや」と書かれていた。
どうやら観光などをするなら拠点になりそうな場所だ。
扉は木製の横開き戸で、鍵が掛かる様な作りにはなっていないらしい。
《聞き耳》
なにか一瞬、鉄の臭いがした。
《中に入る》
古びた日本家屋だ。
手前には台所があり、奥にはぴったりと閉じた横開きの扉がある。
探索箇所〈台所/奥の部屋〉
■台所
誰もいない静かな台所だ。周りを見渡しても机くらいしか、とりたてて物はない。
机の上に何かが置いてある…よくみればそれは、赤錆びた手斧と、水気を孕んだ袋だった。
・手斧
刃の部分にはまだ赤赤とした血液のようなものが付着しており直近で使われたのではないかという嫌な疑念が脳裏をよぎる。SANc(0/1)
・袋
開いた瞬間、むわっとした鉄の臭いが充満する。
恐る恐る中を覗けば、そこには身体を切り刻まれた…胎児の死体が入っていた。SANc(1d3/1d6)
コトリバコの素材である。
■奥の部屋
横開きの扉で閉ざされた部屋だ。
《目星》
よく見ると扉に南京錠を付けることが可能な金具が付いている…が、今現在は特に鍵が閉まっているという事は無さそうだ。
《開く》
そこは和室の様な所だった。やはり普通の民宿なのだろうか？
当たりを見渡せば、大きな本棚や机がある。
そして何故だかとても血なまぐさい。
探索可能箇所〈本棚/机〉
●本棚
ズタズタに引き裂かれた本を見つける。
中を覗くと、ほとんどのページは判別出来なくなっているか、赤黒い汚れで判別出来ない。
「キャ■クターの能力は、基本的に■■■■■■決め■■
■■■■■■■■■
■■■■■
■■■■■■■■■
■■■■■■■■■
■■■■■■■
■■■■■■■■■■
■■■■■■
■■■■■■■
気に入らなければ■■でも振るからこんなことになっ■■■。（この先はズタズタに切り裂かれている）」
●机
引き出しが付いたシンプルな筆机だ。
引き出しを開ければ、貴方は随分古い本を見つける。
赤い表紙の和紙で出来ているが、タイトル等は無い。
中には、血液で書いた様なへたくそな赤褐色の字で、以下の様な事が書かれていた。
「つ■い くる■■ ぬ■だせぬ
ああ■くいひとがにく■ なんどもなんどもころされた
いた■をわけましょ ■らみも■けましょ
■りをかわして■えましょう」
※探索を終えたら
◆コトリバコ
ゴトリ。
突然、和室に鈍い音が響く。
何だとみれば、部屋の中央に、1辺が約8ｲﾝﾁくらいの木組みの立方体が転がっていた。
パーツが寄せ木細工のように嚙み合っている構造の様で、６面を複雑な線目が這い回る。
蓋らしい蓋はない。どこから転げ落ちてきたのかすら、検討もつかない。
貴方がその箱に触れようとすると、
その箱の各面を通り抜けて、何かが内部から飛び出てこようとしている。尖った短い嘴から先に現れたのは、
百舌鳥に似たずんぐりした鳥だった。血液の様に真っ赤な身体で、翼の長さはだいたい３インチくらいだろうか。
鳥が羽ばたいて空中に浮かび上がる。その嘴が…ぴたりと自分とアウィンに向けられる。
そうして、鳥が翼を打って、貴方めがけてまっすぐに突っ込んだ。
《回避下限》
しかし、それはすうっと自分の身体を通り抜けてゆく。
次の瞬間、下腹部に鈍い違和感が生じたかと思うと、あっという間に差し込むような痛みに発展する。
(現HPの半分ダメージ)
アウィンもそれは同じなようで、くの字に身体を折って顔面が苦痛に歪んでいる。
二人の背中から抜けてまたボックスの中へ帰還していく鳥たちの嘴には、ドス黒く赤いものが咥えられていた。
まるで内臓をついばんでいるみたいに。
そうして箱からは、どんどんどんどん、わらわらむらむらと赤い鳥が湧いて出てくる。
鳥が身体を抜けていく感触はわからなかったが、地面に突っ伏し、動けなくなるほどに痛い。
《回避》
標的を捉えた鷹の様に、鳥はさまざまな軌道で突っ込んでくる。
まるでスローモーションで炸裂する爆弾だった。
しかも一つ一つの破片がホーミングして犠牲者を蓮根の様に風穴だらけにする、指向性のボムだ。
この分では、身体を動かして鳥を避けようとしても確実に無駄だろう。見えているのに避けることが出来る。
じわじわと迫りくる破片に切り裂かれるのを、ただ見ていることしかできない──あまりにも邪悪すぎる。
(さらにHP半減)
アウィン「師匠！これ…よくわからないですけどヤバいです！僕らの理解の範囲内で言うと魔道具みたいなものだと思います！今すぐ逃げないと…！」
あなた方は逃げようと振り向くが、いつのまにやら扉が閉まっている。
何故だかびくともしない。
アウィン「あきませんよ師匠！！このままだと・・・！」
貴方がたは理解するだろう。
この悪意の箱は明確な殺意を持って自分達を襲っている事。
この場から逃げる手立てがない事。最悪の想像が頭をよぎる。
突然の異常な状況にSANｃ(0/1)
ここから戦闘形式で進む。箱の攻撃はターンの最後に行われる。
《アイデア》
英俊たる魔術師の貴方は考え至る。
箱は木組みで寄せ木細工のようにパーツが組み合った構造になっていた。
加えて箱の隙間から赤い鳥が出現している事を考えると、内部に何か力の源になるようなものがある可能性が高い。
うまくパーツを組み外せば、それを叩けるかもしれない。
複雑な構造の箱を、痛みに耐えつつ組み外すのであれば、INT×5とDEX×3に同時に成功する必要がある。
（成功しない限り、コトリバコはHPを毎回半減させてくる）
《成功》
貴方が凄惨な痛みに耐えつつパーツを組み解けば、中から1センチほどの、まるで赤子の指の様なものが出てきた。
《潰す》
貴方がそれを潰せば、空中を飛んでいた赤い鳥はふっと姿を消した。
しんとした静寂がそこ戻った。
ガチッ
扉の外から金属音がした。
《外へ出る》
扉から出て、ふと振り返る。すると外扉にはびっしりと子供の大きさの赤い手跡が残されていた。
SANc（0／1）
諦めて消えた霊たち。仲間が増えると思ったのに…。
アウィン「なん…なんですかこれ…絶対おかしいですよこの村！！！」
他の場所も探索を続けることが出来そうだ。
（畑／神社）
アウィン「もう正直帰りたいんですけどね…」
表に看板が立て掛けられており、「民宿とちくや」と書かれていた。
どうやら観光などをするなら拠点になりそうな場所だ。
扉は木製の横開き戸で、鍵が掛かる様な作りにはなっていないらしい。
とちくや＝屠畜屋。
屠殺の事。名前ヤバすぎる。
屠殺の事。名前ヤバすぎる。
《聞き耳》
なにか一瞬、鉄の臭いがした。
中でコトリバコを作成していた為、血液の臭いが漂ってきた。
《中に入る》
古びた日本家屋だ。
手前には台所があり、奥にはぴったりと閉じた横開きの扉がある。
探索箇所〈台所/奥の部屋〉
■台所
誰もいない静かな台所だ。周りを見渡しても机くらいしか、とりたてて物はない。
机の上に何かが置いてある…よくみればそれは、赤錆びた手斧と、水気を孕んだ袋だった。
斧は愚花の腕を切り落としたものである。直近で使用された。
・手斧
刃の部分にはまだ赤赤とした血液のようなものが付着しており直近で使われたのではないかという嫌な疑念が脳裏をよぎる。SANc(0/1)
・袋
開いた瞬間、むわっとした鉄の臭いが充満する。
恐る恐る中を覗けば、そこには身体を切り刻まれた…胎児の死体が入っていた。SANc(1d3/1d6)
コトリバコの素材である。
■奥の部屋
横開きの扉で閉ざされた部屋だ。
《目星》
よく見ると扉に南京錠を付けることが可能な金具が付いている…が、今現在は特に鍵が閉まっているという事は無さそうだ。
ほんの少し前まで愚花を閉じ込めていた。
《開く》
そこは和室の様な所だった。やはり普通の民宿なのだろうか？
当たりを見渡せば、大きな本棚や机がある。
そして何故だかとても血なまぐさい。
愚花の腕をさっき切り落としたばかりなので、それはそう。
探索可能箇所〈本棚/机〉
●本棚
ズタズタに引き裂かれた本を見つける。
中を覗くと、ほとんどのページは判別出来なくなっているか、赤黒い汚れで判別出来ない。
「キャ■クターの能力は、基本的に■■■■■■決め■■
■■■■■■■■■
■■■■■
■■■■■■■■■
■■■■■■■■■
■■■■■■■
■■■■■■■■■■
■■■■■■
■■■■■■■
気に入らなければ■■でも振るからこんなことになっ■■■。（この先はズタズタに切り裂かれている）」
キャラクリに関するメタデータ。愚花の字で汚れている。
最後に挧蟐彁の怒りの走り書きが追記されている。
「気に入らなければ何度でも振るからこんなことになったんだ。」
最後に挧蟐彁の怒りの走り書きが追記されている。
「気に入らなければ何度でも振るからこんなことになったんだ。」
●机
引き出しが付いたシンプルな筆机だ。
引き出しを開ければ、貴方は随分古い本を見つける。
赤い表紙の和紙で出来ているが、タイトル等は無い。
中には、血液で書いた様なへたくそな赤褐色の字で、以下の様な事が書かれていた。
「つ■い くる■■ ぬ■だせぬ
ああ■くいひとがにく■ なんどもなんどもころされた
いた■をわけましょ ■らみも■けましょ
■りをかわして■えましょう」
愚花が苦衷折半を習得した際の書物。
愚花の血液で汚れてしまい、判別は出来ず、習得は不可能。
愚花の血液で汚れてしまい、判別は出来ず、習得は不可能。
※探索を終えたら
◆コトリバコ
ゴトリ。
突然、和室に鈍い音が響く。
何だとみれば、部屋の中央に、1辺が約8ｲﾝﾁくらいの木組みの立方体が転がっていた。
パーツが寄せ木細工のように嚙み合っている構造の様で、６面を複雑な線目が這い回る。
蓋らしい蓋はない。どこから転げ落ちてきたのかすら、検討もつかない。
貴方がその箱に触れようとすると、
その箱の各面を通り抜けて、何かが内部から飛び出てこようとしている。尖った短い嘴から先に現れたのは、
百舌鳥に似たずんぐりした鳥だった。血液の様に真っ赤な身体で、翼の長さはだいたい３インチくらいだろうか。
鳥が羽ばたいて空中に浮かび上がる。その嘴が…ぴたりと自分とアウィンに向けられる。
そうして、鳥が翼を打って、貴方めがけてまっすぐに突っ込んだ。
《回避下限》
しかし、それはすうっと自分の身体を通り抜けてゆく。
次の瞬間、下腹部に鈍い違和感が生じたかと思うと、あっという間に差し込むような痛みに発展する。
(現HPの半分ダメージ)
アウィンもそれは同じなようで、くの字に身体を折って顔面が苦痛に歪んでいる。
二人の背中から抜けてまたボックスの中へ帰還していく鳥たちの嘴には、ドス黒く赤いものが咥えられていた。
まるで内臓をついばんでいるみたいに。
そうして箱からは、どんどんどんどん、わらわらむらむらと赤い鳥が湧いて出てくる。
鳥が身体を抜けていく感触はわからなかったが、地面に突っ伏し、動けなくなるほどに痛い。
《回避》
標的を捉えた鷹の様に、鳥はさまざまな軌道で突っ込んでくる。
まるでスローモーションで炸裂する爆弾だった。
しかも一つ一つの破片がホーミングして犠牲者を蓮根の様に風穴だらけにする、指向性のボムだ。
この分では、身体を動かして鳥を避けようとしても確実に無駄だろう。見えているのに避けることが出来る。
じわじわと迫りくる破片に切り裂かれるのを、ただ見ていることしかできない──あまりにも邪悪すぎる。
(さらにHP半減)
アウィン「師匠！これ…よくわからないですけどヤバいです！僕らの理解の範囲内で言うと魔道具みたいなものだと思います！今すぐ逃げないと…！」
日本語で言えば呪物、CoC語で言えばAF。
あなた方は逃げようと振り向くが、いつのまにやら扉が閉まっている。
何故だかびくともしない。
悪霊と転じ、恨みの籠もった子供の霊達が、扉を抑えている。
アウィン「あきませんよ師匠！！このままだと・・・！」
貴方がたは理解するだろう。
この悪意の箱は明確な殺意を持って自分達を襲っている事。
この場から逃げる手立てがない事。最悪の想像が頭をよぎる。
突然の異常な状況にSANｃ(0/1)
ここから戦闘形式で進む。箱の攻撃はターンの最後に行われる。
《アイデア》
英俊たる魔術師の貴方は考え至る。
箱は木組みで寄せ木細工のようにパーツが組み合った構造になっていた。
加えて箱の隙間から赤い鳥が出現している事を考えると、内部に何か力の源になるようなものがある可能性が高い。
うまくパーツを組み外せば、それを叩けるかもしれない。
複雑な構造の箱を、痛みに耐えつつ組み外すのであれば、INT×5とDEX×3に同時に成功する必要がある。
（成功しない限り、コトリバコはHPを毎回半減させてくる）
《成功》
貴方が凄惨な痛みに耐えつつパーツを組み解けば、中から1センチほどの、まるで赤子の指の様なものが出てきた。
《潰す》
貴方がそれを潰せば、空中を飛んでいた赤い鳥はふっと姿を消した。
しんとした静寂がそこ戻った。
ガチッ
扉の外から金属音がした。
《外へ出る》
扉から出て、ふと振り返る。すると外扉にはびっしりと子供の大きさの赤い手跡が残されていた。
SANc（0／1）
諦めて消えた霊たち。仲間が増えると思ったのに…。
アウィン「なん…なんですかこれ…絶対おかしいですよこの村！！！」
他の場所も探索を続けることが出来そうだ。
（畑／神社）
アウィン「もう正直帰りたいんですけどね…」
【痣サイド��】
青の世界
青、青、青。
なんで青はやばいんだっけ。
白い夢はいい。赤い夢もいい。でも青はだめなんだ。
誰かの声が反響している気がする。
誰の声だっけ。わからない。でも、なんだかすごく見知った人な気がする。
そうして青の中にいると、徐々にそれが薄れていって、ぼんやりと何かの情景が見えてくる。
彁の過去の光景。
私は手を繋いでいる。誰と？勿論彼女と。
たくさんお喋りをした。楽しい。幸せ。満たされた気持ちでいっぱいになる。
こんな時が永遠に続けばいい。ううん。続かせる。それならよかったのに。
ふと彼女が立ち止まる。どうして？前から私が歩いて来たからだ。
前から歩いて来た私は、笑顔で彼女に手を差し伸べる。彼女はその手を取る。
ああそんな、つられて私もぐいと引っ張られる。
徐々に、手のひらから力が滑り落ちていく。
待って、行かないで。そう口にしようとするが、掠れた声は掻き消える。
首に尻尾の様なものがきつく巻きついて、後ろに引っ張られる。呼吸ができない。
彼女は向日葵のように輝く笑顔を見せると、ついに私との手を離した。
そうして、新しい私の手を取り、2人で駆け出す。
青の中に私を置いて。
おいて行かないで、1人にしないで、行かないで…
久遠「だめだ」
ふと、頬を伝う冷たさで目を覚ます。
目を覚ませばそこは何処かの道のようだった。
周りには数件の家屋が立ち並び、村の様な印象を受ける。
しかし、1番に目を引くのは近くにいる人物だった。
紫の着物に身を包んで屈む、その齢近そうな少女は貴方を微笑んで見つめている。
凛として澄んだ顔に似合わず、黒く艶やかな髪と血の様に赤黒い、インナーカラーのコントラストが際立つ。
「起きた？愚花ちゃん？」
「やっぱり帰ってきてくれたんだね。
貴方が来てくれるのをこの世界の中でずーーーーーーーーーーーーーっとまってたよ。
でもおろかちゃんならどんな事があっても絶対来てくれると思ってた。」
誰かと勘違いしているのだろうか。
おろかおろかと半ば罵倒に聞こえなくもない呼び名をひたすらに連呼される。
微妙に視点の合わない目線が貴方を射抜く。
「私、もしかしたらおろかちゃんが私を見捨ててアイツと一緒に行っちゃったのかと思ったの。でもそうじゃなかった。おろかちゃんからはおろかちゃんの匂いしかしないし、アイツの匂いがしないもの。」
「今まではコトリバコの残り香で我慢してたけど、これからは貴方がいるもの、もう必要ないね。」
そういうと、彼女は手元の寄木細工のパーツのようなものをばらばらと地面に落とした。
そして貴方に駆け寄ると抱き締める。ぎちぎちとキツいそれは、なんなら痛みすら感じる程だ。
彁は愚花と会えなくなってからは、愚花の残り香、思い出を漁っていた。
寂しさから、ずっとコトリバコの香り（血）をかぎ続けている。
《愚花ではないと言う》
ピクりと、一瞬表情が固まる。
しかしすぐにまた柔和な表情に戻る。
「・・・なにいってるの愚花ちゃん？愚花ちゃんは愚花ちゃんでしょ？？？」
《更に否定》
再び彼女の表情が固まる。
そしてしばらくののち、ブルブルと震えるのが分かる。
「・・・ちがう、ちがうでしょ。どうしてそんなひどいこというの、愚花ちゃんが私の事見捨てたっていうの、そんなはずない、そんなはずない！」
ギュウ、貴方は再び強く彼女に抱きしめられる。
この華奢なからだのどこにそのような力が潜んでいるのだろうか。
そして、ガブリ、首筋に鋭い痛みが走った。（HP-1)
彼女が自分の首に噛み付いたという事は、容易に想像ができてしまった。
「ふ……うぅ…ぅぅう…」
「愚花ちゃんの…味が……しない……」
彼女は顔を抑えてその場にうずくまった。
あたりには不気味な静寂が訪れる。
探索可能箇所(バラバラの木片/周辺/少女)
■バラバラの木片
先程少女が「コトリバコ」と呼称していたものだ。
《知識》
退魔師である貴方なら、あるいはネットロア等を読み漁っている者なら知っているだろう。
それは、木でできたパーツを組み合わせた、立体パズルのような箱だ。
非人道的な手法により強力な「女子供を殺す呪い」を込めた呪具である。
作り方は以下だ。
�ヾ鵑嗣攤拗�等の見た目のよいカラクリ箱の中に、少女の血を入れて満たす 。
�⊃綮劼了狢里琉貮瑤鯑�れる 。
�７茲靴導�けられないよう難解な封をする
�せΔ靴燭た擁�の身近に置く。
�ド婉瓩僚�子供は血を吐き、苦しみ悶えながら死ぬ 。
また、その家族に至っても20の生誕日手前で命を
落とすだろう。
ただし、既にその機能は喪われているようで、微かに血の匂いが漂う程度だ。
■周辺
随分と寂れた場所だ。
どこかの村の出入口のようだ。
打ち捨てられた看板が落ちており、奥には順番に家屋や畑、神社などが見える。
行って探索する事は出来そうだ。
■少女
着物に身を包んだ少女だ。少女は顔面を抑え、うずくまっている。
貴方が話しかければ、ただでさえ赤いのに、更に赤くなった瞳を上げるだろう。
先程までの微笑みは消え失せ、まるで剣の切っ先の様なトゲトゲしい視線が貴方を貫く。
「あぁ…よく見れば全然違う…なのになんで私は…」
今なら冷静に会話や質問に応じてくれそうだ。
このような場所だ。会話可能なのであれば彼女とはよく話した方が良いと感じるだろう。
Q.名前は？
「……まり…じゃないね、そうだな…なんだっていいや…彁。」
「アンタからすれば…幽霊、化け物。その類になるのかな。」
「ていってももうすぐ消える身だけどｗ」
「興味無いけど流れ上聞いてあげる。アンタの名前は？」
「…へぇ」
ぴくりと、一瞬眉を動かしたが、すぐにいかにも興味なさげといった感じの空返事が返ってくる。
Q.愚花って？
「私の…大切だった人…繋がってた人…。」
「でももうその繋がりは無くなっちゃった…だから今は生きてるのか死んでるのかもわからない。」
「本当に大切な子だった…」
「アンタは？そういう人、いた？」
Q.何があった？
「愚花ちゃんとこの村で10年間過ごして…何か…うまく思い出せないけど大きな事があって…あの子との繋がりを引き剥がされた。」
「だから分からないの…今愚花ちゃんがどうなったのか。」
「どうして私の前からいなくなっちゃったのか…」
Q.ここはどこ
「臣豆頁村。よく言う因習の村、というものよ。」
「昔は私…いいえ水子供養の村だったんだけどね。」
「あの女狐が来て全部こわれちゃった。」
Q女狐？
少女は静かに指を神社へ向けた。
視線はより一層険しくなる。
Q.この世界は何？
「裏世界…アザーサイド…色んな言い方があるから好きに呼ぶといいわ…」
「確実なのは貴方のいる世界とはノットイコールの場所。ここでは常識では計りきれない事が起こるし、それによって簡単に命を落とす」
「死ぬならせめて迷惑が掛からないように死んでね」
Q.ここから出ないの？
「出ないのか？ですって？」
「…出られるならとっくに出てる！」
「キャラシート…魂の少ない私じゃ、外に出ても不安定で、僅かな時間しか保たない。」
「それに私は…あいつに囚われてる。」
「でもそれも良かったのかも…あと少し…次に吸収された時、私は全部なくなる。」
「なくなればもう哀しいって感情すら消えて無くなる。」
Q.吸収？
「私はアイツの養分。いつの間にか繋がりが愚花ちゃんからアイツに変わってた。」
「繋がりと言っても平等なものじゃない。一方的な搾取だけどね。」
「私はきっとまた守りきれなかった。その罰なのかもね。」
「魂の欠片の集合体の私は…愚花ちゃんとまた逢いたい一心で吸収に抵抗してきたけど、そろそろそれも限界。」
「最後の最後で結局肩透かし食らった上に二度と会えないってのが分からせられる訳ね。私らしいバッドエンドなんじゃない？」
自嘲的に、吐き捨てる様に言う。
Q.キャラシート？
「…貴方にわかりやすく説明するなら、私や貴方の身体を構成するもの。」
「物質としてではなく概念としてね…魂に近いものよ。」
「何言ってるかは分からなくていいわ。寧ろ分かっちゃったら貴方も…いいえ、忘れて。」
Q.ここから出たい
「…それは無理。」
「貴方が来た時点であの扉は閉じてしまった。」
「今はどこにゲートがあるかも分からない」
「でもいいでしょう？あっちなんて楽しくない。孤独は身を焦がすだけ。それなら私とこの地獄で心中しましょうよｗ」
Q.叱責したりなど
「…なによ、私が悪いっていうの！？」
「私はただ唯一の友達…いいえ、家族を取り返したかっただけ！」
「なんでアンタと愚花ちゃんを勘違いしたのか分からないけど、私だって藁に縋ってたのよ！」
※ある程度の会話が終わったら
少女は溜息を吐いてゆっくりと立ち上がった。
「いいわ…どうせ私に残された時間は少ない。なら最後に観光案内くらいしてあげる。」
「終わりの世界を楽しみましょ？」
すっと自分が撒いた木片を回収した彼女は、どうやら貴方についてくるようだ。
探索箇所
(崩壊した家屋/荒れ果てた畑/豪奢な神社)
■崩壊した家屋
ボロボロに壊れた家屋だ表に転がる看板から、辛うじて「民宿」という文字だけ読み取ることが出来た。
中へ入れば、殆どのモノは壊れ果てて殆ど部屋としての機能は果たせなくなっているが、扉に外側から錠前がついている事から、恐らくは何かを閉じ込めていた場所なのではないかという推測が立てられた。
民宿とちくやの残骸。
彁「懐かしいなぁ…ここは愚花ちゃんが右手を取られた所。」
「痛みに呻くおろかちゃんの顔はすっごく辛そうで可哀想だったけど…同時にすごい可愛かったなぁ…」
「村の連中が愚花ちゃんの血で作ったコトリバコ…魔術師に壊されちゃったけど、凄い呪力でうっとりしちゃった。」
「呪いは家系に伝播する…ああ、なるほど、そういう事。」
「あんた、家族は？」
「家族かなんかにもう1人、アザカって子がいる？」
「ふふ…やっぱり、そういう事。」
痣花を愚花と勘違いした理由に気づいた。
「昔、この村にアザカって魔術師が来たことがあるのよ。」
「その子はコトリバコの呪いを受けた…その呪いはあなたにも受け継がれてる」
「私はその呪いの匂いを愚花ちゃんと勘違いしたのね…よかった。私の中で愚花ちゃんが薄れた訳じゃなかった。」
にやりと、彁の口元が歪む。
それと同時に、彼女から厭な気配を感じ取る。
するとそれに呼応するかのように、
突如、アザカは目眩に襲われた。
瞑ったまぶたの裏に映るは何かの映像だ。
◆過去の光景
そこは和室、恐らくは今いるこの部屋の過去の映像だ。
誰かの視点のようで、身体を動かすことすらままならない。
目の前にはどこか既視感のある、泣き腫らした半裸の少女、そして斧を持つ大男がいた。
大男は少女の右手を掴み、そのまま間髪入れずにそこへ斧が振り下ろされる。
ぎちゅり。
肉が裂け、骨が砕ける音が狭い室内に何度も木霊する。
切れ味が悪いのだろう、何度も何度も振り下ろされる。
筋肉の繊維や神経だろうか、その一本一本が斧の刃に引きちぎられ、ぶち、びち、ばつんと取れていく。
少女は泣き叫ぶ。しかし、助けることは叶わない。
憎い。それは視点のものが抱く感情だ。
突然、目の前に赤い花が咲く。
それは、自分の吐き出した血液だ。
そのまま、我慢ならずに地へと伏す。
最後に見たのは、大男がかつぎ上げる、少女とちぎれた腕だった…
視界が戻る。貴方は気付けば彁の膝に頭を擡げていた。
「突然倒れるものだからびっくりしちゃった。」
「私の邪気に当てられたのかしら。案外脆いものね。」
Q.映像の件
「…見たのね。まぁそうよ。あれは儀式。この村に伝わる、最悪のね。」
「村に迷い込んだ連中を拘束して四肢を神様に献上するの。」
「…さて、興味を引くものはあったかしら？」
「まぁ当然、ここからの出方…なんて都合のいいメモはないわよね。」
「落ち着いたら奥に行きましょう。」
(畑/神社)
【魔術師サイド�ぁ�
あなた方が道すがら歩いていくと、
畑には先程話しかけてきたおじいさんと、巨大な粉砕機がある。
おじいさん/粉砕機
■おじいさん
おじいさんはくたびれた様子で切り株に腰を掛けていたが、あなたがたの姿を認めると、笑顔で話掛けてくる。
「ほぉーあ旅の人かの、おんだばゆっくりすでくといいぜ、あた、あたたた…」
「はぁ〜え…最近はめっきり腰がいってしまっての…もうすわげねんだはげども、そごの粉砕機さ、稲穂いれっでスイッチばスタートしてくんねがの？
付近には大量の稲穂が積まれている。
■粉砕機
かなり大型の粉砕機だ。自分の身長より高い。
《知識1/2》または《地質学》または《農業系技能》
この粉砕機はハスキーグラインダーという大型の木材粉砕機だ。
上部の投入口に木材等を投入すれば、グチャグチャに粉砕して一瞬で木材チップが出来上がる。
粉砕機上部に入れ口があるので、持ち上げて稲穂をいれることはできそうだ。
《粉砕機の中を見る》
あなたが粉砕機をよじ登るまでしてそこを登れば、入り口の中に何かが動いてある。
よくよくこらせばそれは人だった。
虚ろな目をした男が拘束され、今まさに粉砕にかけられようとしていた。SANc(1/1d3)
《男性を助けずに粉砕機のスイッチを押す》
《聞き耳》
「あっ」という声が聞こえたが、そのまま粉砕機はガタガタと揺れ動く。
グチュ、ぐちゃちゃちゃがち、ぐちゅぎち
排出口からは
赤黒く濡れちぎれた稲穂と何か…赤ピンクの柔らかい、肉のようなものが吹き出てきた。
「あーありがどのぉ、ケヌケ様をそんなかさ入れだら腰やっぢまってのぉ、イヌガミさまんさ飼料つくんばいがんねながなができねぐっての。」
「いやーだすかった！あんがとの！」
お爺さんは満面の笑みであなた方の肩を叩いた。
アウィン「うそでしょ…おぇ…」
ちりん
背後で何か、風鈴がなる様な音と、誰かが駆けていく音がした。
振り返ればそこには、小さな鞠が転がっていた。
（神社へ）
《男性を助ける》
貴方は粉砕機から助け出した。
出てきたのは中年の男性だ。
焦点は定まっておらず、何やらブツブツと言葉を呟いているようだが、おおよそ意味の通らない単語の羅列に聞こえる事だろう。
「おまえら！！なにやっとんじゃ！！」
先程まで朗らかな顔をしていたおじいさんは、顔を烈火のごとく赤く強ばらせ、怒りに満ちた瞳で貴方を見ている。
「それは犬神様の飼料じゃ！かえせ！かえせ！かえせ！かえせ！かえせ！かえせ！」
おじいさんは手元の鎌を振り上げ、あなた方に迫った。
戦闘開始です。
《戦闘》
おじいさん HP:10 DEX:8
1d100<=50 鎌
1d8 鎌ダメージ
《勝利》
「ごはぁ！」
おじいさんは膝をつき倒れ、気絶した。
男は未だうわ言を呟き、まるで心ここにあらずといった様相だ。
ちりん
背後で風鈴が鳴るような音がした。
振り向けば、着物を来た少女が微笑んでいる。
少女は鞠を転がすと、その場からふっと消えた。
アウィン「ひえっ！ゴースト！」
何はともあれ、奥へと進むことができそうだ。
■神社
奥へ奥へと道を進めば、そこには塀に囲まれた神社があった。
かつては豪奢な社だったのであろうが、今では経年劣化には勝てていないのか、若干の寂れを感じさせる。
鳥居を潜ればねっとりとした厭な感じが背筋をなぞる。
本殿正面の障子戸は空いており、中は薄暗いが人の気配は無い。
《中を見る/中に入る》
貴方は中に入った。
拝殿の中は不自然な程に静まり返り、ちょっとした暗闇の中にも悍ましい化け物が自分達の首を狙い、
虎視眈々と待ち構えているのではないかと訝しんでしまう程だった。
しかし、不自然は静けさだけではなかった。
大きな岩。それも注連縄を締められた仰々しくも禍々しいものが、特大の存在感を出し、
その空間を支配していた。
また、その岩のふもと、木製の三方…神の前に供え物をするのに使用するのであろう台座の上には、1枚の、何かが書いてある和紙が、更に何かに覆い被さるようにして置いてあった。
《和紙を見る》
「二が贄、愚劣出愚花童女右腕肢献上奉る」
だらんと、力なく少女の腕らしきものが台座から垂れ落ちた。
ああ、これは、この手は、間違い無い。
自分が依頼を受け、探していた少女の腕なのだ。
つまり、少女はもう。
SANc(0/1)
キンと頭痛がする。
何者かが脳裏に映り、視界と重なる。
何者かは口元を薄ら開けて嗤い、指をすうっと、
空をなぞるように差し向けてくる。
「祝詞 -勅命集肢-」
久遠が岩の中から祝詞を使って、村人を操りました。身体をバラバラにしろと命令している。
ゾ、という厭な雰囲気が、一気に膨れ上がる。
赤子が地を這い、足を伝い、背中から登って耳元で呪言を囁いている。
そう錯覚する程の雰囲気。誰も居ないはずの拝殿に、赤子が敷き詰められ、皆一様にこちらを見つめる。
いや、錯覚だ。そんな筈は無いのに。
SANc(1/1d3)
バタババタバタリ。
突如、神社を中心として取り囲む様に村の四方八方から、どたどたとした足音を感じる。
それはどんどんと混じっていくように音量を増し、遂には姿を表す。
それは村人だった。
畑で働く老人や、花に水をやっていたおばさん。
そんな彼らが一様に顔面に笑顔を貼り付けてやってきたのだ。
「こんぬづわ、おげんきですか、ほんだば、今からいただきます」
村人はその手その手に鋭利な農具を握り締め、門よりあなた方へと迫ってきた。
アウィン「うっ…！やっぱり…！おかしな村だと思っていたんです…！」
「この村の人達は異常です!!依頼主さんのお子さんももう…！」
「凄く…凄く腹立たしいし恐ろしいです、正直依頼主さんになんて説明をすればいいのかも分かりません。」
「ですがまずは！目の前の師匠…いえ、愛する人が大事です！！ここを切り抜けましょう！アザカ！」
「村人は大量にいて、こちらも複数人いるので、普通に切り抜けるのは難しいです。
なので僕が地に転移の魔法陣を描きます。…でも、何かに邪魔されてる感覚があるので、
発動までは少し時間がかかると思います。」
「アザカにはその間、アイツらを相手して欲しいんです。」
「お願い出来ますか！」
「…大丈夫です！いざとなれば僕が身を呈して貴方を助けます！」
《戦闘開始》
アウィンは�汽拭璽鵑�1d100のゲージ上昇を行う。
ゲージが100溜まったら転移陣作成完了。
農民は一人あたりHP10、４人出る。
農民全員ボコスか１００たまるかで勝ち。
■村人x4 HP10
1d100<=35 農具 or ショットガン
1d6+1 農具ダメージ
《戦闘終了》
あなたが露払いをすると、村人は吹き飛び、将棋倒しのように倒れた。隙が出来た。
「転移陣記述完了！転移しますよ！師匠！陣の中へ！」
同時にアウィンが叫び、足元の転移陣が光り輝く。
村人らは起き上がり、逃すまいとあなた達へと覆いかぶさっていく。しかし、毒牙は永遠に届かない。
次第に周りの景色は白み、喧騒は遠くなっていく…。
ふと、遠目に誰かが小さく手をふっているのが見えた。
それは、黒髪の長髪を蓄えた少女だった。
あなたの意識は白へと溶けてゆく…
青、青、青。
なんで青はやばいんだっけ。
白い夢はいい。赤い夢もいい。でも青はだめなんだ。
誰かの声が反響している気がする。
誰の声だっけ。わからない。でも、なんだかすごく見知った人な気がする。
そうして青の中にいると、徐々にそれが薄れていって、ぼんやりと何かの情景が見えてくる。
彁の過去の光景。
私は手を繋いでいる。誰と？勿論彼女と。
たくさんお喋りをした。楽しい。幸せ。満たされた気持ちでいっぱいになる。
こんな時が永遠に続けばいい。ううん。続かせる。それならよかったのに。
ふと彼女が立ち止まる。どうして？前から私が歩いて来たからだ。
前から歩いて来た私は、笑顔で彼女に手を差し伸べる。彼女はその手を取る。
ああそんな、つられて私もぐいと引っ張られる。
徐々に、手のひらから力が滑り落ちていく。
待って、行かないで。そう口にしようとするが、掠れた声は掻き消える。
首に尻尾の様なものがきつく巻きついて、後ろに引っ張られる。呼吸ができない。
彼女は向日葵のように輝く笑顔を見せると、ついに私との手を離した。
そうして、新しい私の手を取り、2人で駆け出す。
青の中に私を置いて。
おいて行かないで、1人にしないで、行かないで…
久遠「だめだ」
ふと、頬を伝う冷たさで目を覚ます。
目を覚ませばそこは何処かの道のようだった。
周りには数件の家屋が立ち並び、村の様な印象を受ける。
しかし、1番に目を引くのは近くにいる人物だった。
紫の着物に身を包んで屈む、その齢近そうな少女は貴方を微笑んで見つめている。
凛として澄んだ顔に似合わず、黒く艶やかな髪と血の様に赤黒い、インナーカラーのコントラストが際立つ。
「起きた？愚花ちゃん？」
「やっぱり帰ってきてくれたんだね。
貴方が来てくれるのをこの世界の中でずーーーーーーーーーーーーーっとまってたよ。
でもおろかちゃんならどんな事があっても絶対来てくれると思ってた。」
誰かと勘違いしているのだろうか。
おろかおろかと半ば罵倒に聞こえなくもない呼び名をひたすらに連呼される。
微妙に視点の合わない目線が貴方を射抜く。
妄信的に求めていた愚花と会えたことによって、狂気に落ちている。
姿よりも、「愚花の香り（血液や呪い）」と同じ臭いがするという所で愚花と勘違いした。
痣花は前日に喪失もしているので、そのせいも
姿よりも、「愚花の香り（血液や呪い）」と同じ臭いがするという所で愚花と勘違いした。
痣花は前日に喪失もしているので、そのせいも
「私、もしかしたらおろかちゃんが私を見捨ててアイツと一緒に行っちゃったのかと思ったの。でもそうじゃなかった。おろかちゃんからはおろかちゃんの匂いしかしないし、アイツの匂いがしないもの。」
「今まではコトリバコの残り香で我慢してたけど、これからは貴方がいるもの、もう必要ないね。」
そういうと、彼女は手元の寄木細工のパーツのようなものをばらばらと地面に落とした。
そして貴方に駆け寄ると抱き締める。ぎちぎちとキツいそれは、なんなら痛みすら感じる程だ。
彁は愚花と会えなくなってからは、愚花の残り香、思い出を漁っていた。
寂しさから、ずっとコトリバコの香り（血）をかぎ続けている。
《愚花ではないと言う》
ピクりと、一瞬表情が固まる。
しかしすぐにまた柔和な表情に戻る。
「・・・なにいってるの愚花ちゃん？愚花ちゃんは愚花ちゃんでしょ？？？」
ある種の精神分析的な行為に当てはまるかも知れない。
《更に否定》
再び彼女の表情が固まる。
そしてしばらくののち、ブルブルと震えるのが分かる。
「・・・ちがう、ちがうでしょ。どうしてそんなひどいこというの、愚花ちゃんが私の事見捨てたっていうの、そんなはずない、そんなはずない！」
ギュウ、貴方は再び強く彼女に抱きしめられる。
この華奢なからだのどこにそのような力が潜んでいるのだろうか。
そして、ガブリ、首筋に鋭い痛みが走った。（HP-1)
彼女が自分の首に噛み付いたという事は、容易に想像ができてしまった。
「ふ……うぅ…ぅぅう…」
「愚花ちゃんの…味が……しない……」
彼女は顔を抑えてその場にうずくまった。
あたりには不気味な静寂が訪れる。
探索可能箇所(バラバラの木片/周辺/少女)
愚花がやっと会いに来てくれたと思ったら違った。
ショックで肩を大層落としている。
ショックで肩を大層落としている。
■バラバラの木片
先程少女が「コトリバコ」と呼称していたものだ。
《知識》
退魔師である貴方なら、あるいはネットロア等を読み漁っている者なら知っているだろう。
それは、木でできたパーツを組み合わせた、立体パズルのような箱だ。
非人道的な手法により強力な「女子供を殺す呪い」を込めた呪具である。
作り方は以下だ。
�ヾ鵑嗣攤拗�等の見た目のよいカラクリ箱の中に、少女の血を入れて満たす 。
�⊃綮劼了狢里琉貮瑤鯑�れる 。
�７茲靴導�けられないよう難解な封をする
�せΔ靴燭た擁�の身近に置く。
�ド婉瓩僚�子供は血を吐き、苦しみ悶えながら死ぬ 。
また、その家族に至っても20の生誕日手前で命を
落とすだろう。
ただし、既にその機能は喪われているようで、微かに血の匂いが漂う程度だ。
自覚があるかないか分からないが、
おばあちゃんのアザカがコトリバコの呪いを受けた事により、痣花には隔世遺伝で呪いが掛かっている。実はこのままだと痣花は20まで生きられない。
おばあちゃんのアザカがコトリバコの呪いを受けた事により、痣花には隔世遺伝で呪いが掛かっている。実はこのままだと痣花は20まで生きられない。
■周辺
随分と寂れた場所だ。
どこかの村の出入口のようだ。
打ち捨てられた看板が落ちており、奥には順番に家屋や畑、神社などが見える。
行って探索する事は出来そうだ。
■少女
着物に身を包んだ少女だ。少女は顔面を抑え、うずくまっている。
貴方が話しかければ、ただでさえ赤いのに、更に赤くなった瞳を上げるだろう。
先程までの微笑みは消え失せ、まるで剣の切っ先の様なトゲトゲしい視線が貴方を貫く。
「あぁ…よく見れば全然違う…なのになんで私は…」
今なら冷静に会話や質問に応じてくれそうだ。
このような場所だ。会話可能なのであれば彼女とはよく話した方が良いと感じるだろう。
Q.名前は？
「……まり…じゃないね、そうだな…なんだっていいや…彁。」
「アンタからすれば…幽霊、化け物。その類になるのかな。」
「ていってももうすぐ消える身だけどｗ」
「興味無いけど流れ上聞いてあげる。アンタの名前は？」
「…へぇ」
ぴくりと、一瞬眉を動かしたが、すぐにいかにも興味なさげといった感じの空返事が返ってくる。
昔村に来たアザカを思い出したが、どうせ思い過ごしだと思って一瞬で思考を閉じた。
Q.愚花って？
「私の…大切だった人…繋がってた人…。」
「でももうその繋がりは無くなっちゃった…だから今は生きてるのか死んでるのかもわからない。」
「本当に大切な子だった…」
「アンタは？そういう人、いた？」
Q.何があった？
「愚花ちゃんとこの村で10年間過ごして…何か…うまく思い出せないけど大きな事があって…あの子との繋がりを引き剥がされた。」
「だから分からないの…今愚花ちゃんがどうなったのか。」
「どうして私の前からいなくなっちゃったのか…」
ショックと久遠の引き剥がしの衝撃で、愚花と離れ離れになった時の事をうまく思い出せない。なので自分が守れなかったと思っている。久遠が原因とは露知らず。
Q.ここはどこ
「臣豆頁村。よく言う因習の村、というものよ。」
「昔は私…いいえ水子供養の村だったんだけどね。」
「あの女狐が来て全部こわれちゃった。」
女狐＝久遠
Q女狐？
少女は静かに指を神社へ向けた。
視線はより一層険しくなる。
Q.この世界は何？
「裏世界…アザーサイド…色んな言い方があるから好きに呼ぶといいわ…」
「確実なのは貴方のいる世界とはノットイコールの場所。ここでは常識では計りきれない事が起こるし、それによって簡単に命を落とす」
「死ぬならせめて迷惑が掛からないように死んでね」
Q.ここから出ないの？
「出ないのか？ですって？」
「…出られるならとっくに出てる！」
「キャラシート…魂の少ない私じゃ、外に出ても不安定で、僅かな時間しか保たない。」
「それに私は…あいつに囚われてる。」
「でもそれも良かったのかも…あと少し…次に吸収された時、私は全部なくなる。」
「なくなればもう哀しいって感情すら消えて無くなる。」
Q.吸収？
「私はアイツの養分。いつの間にか繋がりが愚花ちゃんからアイツに変わってた。」
「繋がりと言っても平等なものじゃない。一方的な搾取だけどね。」
「私はきっとまた守りきれなかった。その罰なのかもね。」
「魂の欠片の集合体の私は…愚花ちゃんとまた逢いたい一心で吸収に抵抗してきたけど、そろそろそれも限界。」
「最後の最後で結局肩透かし食らった上に二度と会えないってのが分からせられる訳ね。私らしいバッドエンドなんじゃない？」
自嘲的に、吐き捨てる様に言う。
Q.キャラシート？
「…貴方にわかりやすく説明するなら、私や貴方の身体を構成するもの。」
「物質としてではなく概念としてね…魂に近いものよ。」
「何言ってるかは分からなくていいわ。寧ろ分かっちゃったら貴方も…いいえ、忘れて。」
Q.ここから出たい
「…それは無理。」
「貴方が来た時点であの扉は閉じてしまった。」
「今はどこにゲートがあるかも分からない」
「でもいいでしょう？あっちなんて楽しくない。孤独は身を焦がすだけ。それなら私とこの地獄で心中しましょうよｗ」
諦めているから後ろ向きな言動が目立つ。
Q.叱責したりなど
「…なによ、私が悪いっていうの！？」
「私はただ唯一の友達…いいえ、家族を取り返したかっただけ！」
「なんでアンタと愚花ちゃんを勘違いしたのか分からないけど、私だって藁に縋ってたのよ！」
※ある程度の会話が終わったら
少女は溜息を吐いてゆっくりと立ち上がった。
「いいわ…どうせ私に残された時間は少ない。なら最後に観光案内くらいしてあげる。」
「終わりの世界を楽しみましょ？」
すっと自分が撒いた木片を回収した彼女は、どうやら貴方についてくるようだ。
痣花が愚花じゃないと分かって、また愚花の断片が残るコトリバコを回収した。
再び吸うつもり。
再び吸うつもり。
探索箇所
(崩壊した家屋/荒れ果てた畑/豪奢な神社)
■崩壊した家屋
ボロボロに壊れた家屋だ表に転がる看板から、辛うじて「民宿」という文字だけ読み取ることが出来た。
中へ入れば、殆どのモノは壊れ果てて殆ど部屋としての機能は果たせなくなっているが、扉に外側から錠前がついている事から、恐らくは何かを閉じ込めていた場所なのではないかという推測が立てられた。
民宿とちくやの残骸。
彁「懐かしいなぁ…ここは愚花ちゃんが右手を取られた所。」
「痛みに呻くおろかちゃんの顔はすっごく辛そうで可哀想だったけど…同時にすごい可愛かったなぁ…」
「村の連中が愚花ちゃんの血で作ったコトリバコ…魔術師に壊されちゃったけど、凄い呪力でうっとりしちゃった。」
「呪いは家系に伝播する…ああ、なるほど、そういう事。」
「あんた、家族は？」
「家族かなんかにもう1人、アザカって子がいる？」
「ふふ…やっぱり、そういう事。」
痣花を愚花と勘違いした理由に気づいた。
「昔、この村にアザカって魔術師が来たことがあるのよ。」
「その子はコトリバコの呪いを受けた…その呪いはあなたにも受け継がれてる」
「私はその呪いの匂いを愚花ちゃんと勘違いしたのね…よかった。私の中で愚花ちゃんが薄れた訳じゃなかった。」
にやりと、彁の口元が歪む。
それと同時に、彼女から厭な気配を感じ取る。
するとそれに呼応するかのように、
突如、アザカは目眩に襲われた。
瞑ったまぶたの裏に映るは何かの映像だ。
◆過去の光景
そこは和室、恐らくは今いるこの部屋の過去の映像だ。
誰かの視点のようで、身体を動かすことすらままならない。
目の前にはどこか既視感のある、泣き腫らした半裸の少女、そして斧を持つ大男がいた。
大男は少女の右手を掴み、そのまま間髪入れずにそこへ斧が振り下ろされる。
ぎちゅり。
肉が裂け、骨が砕ける音が狭い室内に何度も木霊する。
切れ味が悪いのだろう、何度も何度も振り下ろされる。
筋肉の繊維や神経だろうか、その一本一本が斧の刃に引きちぎられ、ぶち、びち、ばつんと取れていく。
少女は泣き叫ぶ。しかし、助けることは叶わない。
憎い。それは視点のものが抱く感情だ。
突然、目の前に赤い花が咲く。
それは、自分の吐き出した血液だ。
そのまま、我慢ならずに地へと伏す。
最後に見たのは、大男がかつぎ上げる、少女とちぎれた腕だった…
視界が戻る。貴方は気付けば彁の膝に頭を擡げていた。
「突然倒れるものだからびっくりしちゃった。」
「私の邪気に当てられたのかしら。案外脆いものね。」
一瞬、愚花を思い出して反射的に介抱してしまった。
恥ずかしいのでポーカーフェイスを貫く。
恥ずかしいのでポーカーフェイスを貫く。
Q.映像の件
「…見たのね。まぁそうよ。あれは儀式。この村に伝わる、最悪のね。」
「村に迷い込んだ連中を拘束して四肢を神様に献上するの。」
「…さて、興味を引くものはあったかしら？」
「まぁ当然、ここからの出方…なんて都合のいいメモはないわよね。」
「落ち着いたら奥に行きましょう。」
(畑/神社)
【魔術師サイド�ぁ�
あなた方が道すがら歩いていくと、
畑には先程話しかけてきたおじいさんと、巨大な粉砕機がある。
おじいさん/粉砕機
■おじいさん
おじいさんはくたびれた様子で切り株に腰を掛けていたが、あなたがたの姿を認めると、笑顔で話掛けてくる。
「ほぉーあ旅の人かの、おんだばゆっくりすでくといいぜ、あた、あたたた…」
「はぁ〜え…最近はめっきり腰がいってしまっての…もうすわげねんだはげども、そごの粉砕機さ、稲穂いれっでスイッチばスタートしてくんねがの？
付近には大量の稲穂が積まれている。
■粉砕機
かなり大型の粉砕機だ。自分の身長より高い。
《知識1/2》または《地質学》または《農業系技能》
この粉砕機はハスキーグラインダーという大型の木材粉砕機だ。
上部の投入口に木材等を投入すれば、グチャグチャに粉砕して一瞬で木材チップが出来上がる。
粉砕機上部に入れ口があるので、持ち上げて稲穂をいれることはできそうだ。
《粉砕機の中を見る》
あなたが粉砕機をよじ登るまでしてそこを登れば、入り口の中に何かが動いてある。
よくよくこらせばそれは人だった。
虚ろな目をした男が拘束され、今まさに粉砕にかけられようとしていた。SANc(1/1d3)
《男性を助けずに粉砕機のスイッチを押す》
《聞き耳》
「あっ」という声が聞こえたが、そのまま粉砕機はガタガタと揺れ動く。
グチュ、ぐちゃちゃちゃがち、ぐちゅぎち
排出口からは
赤黒く濡れちぎれた稲穂と何か…赤ピンクの柔らかい、肉のようなものが吹き出てきた。
「あーありがどのぉ、ケヌケ様をそんなかさ入れだら腰やっぢまってのぉ、イヌガミさまんさ飼料つくんばいがんねながなができねぐっての。」
「いやーだすかった！あんがとの！」
お爺さんは満面の笑みであなた方の肩を叩いた。
アウィン「うそでしょ…おぇ…」
ちりん
背後で何か、風鈴がなる様な音と、誰かが駆けていく音がした。
振り返ればそこには、小さな鞠が転がっていた。
・ケヌケ様＝気抜け様。愚花の父親の様に精神をおかしくしてしまったもの。
・愚花が気絶している中、挧蟐彁は村を周回していた所、愚花の父親が殺される
一部始終を見てしまった。ショックで鞠を落としてその場から逃げ出した。
・鞠はAF。挧蟐彁の力の一部が込められている。最終局面でどうしようも無くなった時に
助けてくれる。
・愚花が気絶している中、挧蟐彁は村を周回していた所、愚花の父親が殺される
一部始終を見てしまった。ショックで鞠を落としてその場から逃げ出した。
・鞠はAF。挧蟐彁の力の一部が込められている。最終局面でどうしようも無くなった時に
助けてくれる。
（神社へ）
《男性を助ける》
貴方は粉砕機から助け出した。
出てきたのは中年の男性だ。
焦点は定まっておらず、何やらブツブツと言葉を呟いているようだが、おおよそ意味の通らない単語の羅列に聞こえる事だろう。
「おまえら！！なにやっとんじゃ！！」
先程まで朗らかな顔をしていたおじいさんは、顔を烈火のごとく赤く強ばらせ、怒りに満ちた瞳で貴方を見ている。
「それは犬神様の飼料じゃ！かえせ！かえせ！かえせ！かえせ！かえせ！かえせ！」
おじいさんは手元の鎌を振り上げ、あなた方に迫った。
戦闘開始です。
せっかくの犬用飼料を奪われてブチギレています。鉄槌を下せ。
《戦闘》
おじいさん HP:10 DEX:8
1d100<=50 鎌
1d8 鎌ダメージ
《勝利》
「ごはぁ！」
おじいさんは膝をつき倒れ、気絶した。
男は未だうわ言を呟き、まるで心ここにあらずといった様相だ。
ちりん
背後で風鈴が鳴るような音がした。
振り向けば、着物を来た少女が微笑んでいる。
少女は鞠を転がすと、その場からふっと消えた。
アウィン「ひえっ！ゴースト！」
何はともあれ、奥へと進むことができそうだ。
・愚花が気絶している中、挧蟐彁は村を周回していた所、愚花の父親がアザカに助けられる
一部始終を見た。こんな人も居るんだと嬉しくなり、鞠を差し出した。
・鞠はAF。挧蟐彁の力の一部が込められている。最終局面でどうしようも無くなった時に
助けてくれる。
一部始終を見た。こんな人も居るんだと嬉しくなり、鞠を差し出した。
・鞠はAF。挧蟐彁の力の一部が込められている。最終局面でどうしようも無くなった時に
助けてくれる。
■神社
奥へ奥へと道を進めば、そこには塀に囲まれた神社があった。
かつては豪奢な社だったのであろうが、今では経年劣化には勝てていないのか、若干の寂れを感じさせる。
鳥居を潜ればねっとりとした厭な感じが背筋をなぞる。
本殿正面の障子戸は空いており、中は薄暗いが人の気配は無い。
《中を見る/中に入る》
貴方は中に入った。
拝殿の中は不自然な程に静まり返り、ちょっとした暗闇の中にも悍ましい化け物が自分達の首を狙い、
虎視眈々と待ち構えているのではないかと訝しんでしまう程だった。
しかし、不自然は静けさだけではなかった。
大きな岩。それも注連縄を締められた仰々しくも禍々しいものが、特大の存在感を出し、
その空間を支配していた。
久遠が封じられた殺生石です。非常に危険。
また、安倍獄燿は呪力を高める儀式を近隣の山間で執り行っている為、現在不在。
また、安倍獄燿は呪力を高める儀式を近隣の山間で執り行っている為、現在不在。
また、その岩のふもと、木製の三方…神の前に供え物をするのに使用するのであろう台座の上には、1枚の、何かが書いてある和紙が、更に何かに覆い被さるようにして置いてあった。
《和紙を見る》
「二が贄、愚劣出愚花童女右腕肢献上奉る」
だらんと、力なく少女の腕らしきものが台座から垂れ落ちた。
ああ、これは、この手は、間違い無い。
自分が依頼を受け、探していた少女の腕なのだ。
つまり、少女はもう。
SANc(0/1)
実際こんなものがあったら死んでると思うよねそりゃ。
キンと頭痛がする。
何者かが脳裏に映り、視界と重なる。
何者かは口元を薄ら開けて嗤い、指をすうっと、
空をなぞるように差し向けてくる。
「祝詞 -勅命集肢-」
久遠が岩の中から祝詞を使って、村人を操りました。身体をバラバラにしろと命令している。
ゾ、という厭な雰囲気が、一気に膨れ上がる。
赤子が地を這い、足を伝い、背中から登って耳元で呪言を囁いている。
そう錯覚する程の雰囲気。誰も居ないはずの拝殿に、赤子が敷き詰められ、皆一様にこちらを見つめる。
いや、錯覚だ。そんな筈は無いのに。
SANc(1/1d3)
バタババタバタリ。
突如、神社を中心として取り囲む様に村の四方八方から、どたどたとした足音を感じる。
それはどんどんと混じっていくように音量を増し、遂には姿を表す。
それは村人だった。
畑で働く老人や、花に水をやっていたおばさん。
そんな彼らが一様に顔面に笑顔を貼り付けてやってきたのだ。
「こんぬづわ、おげんきですか、ほんだば、今からいただきます」
村人はその手その手に鋭利な農具を握り締め、門よりあなた方へと迫ってきた。
アウィン「うっ…！やっぱり…！おかしな村だと思っていたんです…！」
「この村の人達は異常です!!依頼主さんのお子さんももう…！」
「凄く…凄く腹立たしいし恐ろしいです、正直依頼主さんになんて説明をすればいいのかも分かりません。」
「ですがまずは！目の前の師匠…いえ、愛する人が大事です！！ここを切り抜けましょう！アザカ！」
土壇場では男を見せるアウィン。とはいえ師匠のほうが強いし格好は付かない。
想いだけは一人前。ここでは基本アザカもしくはアザカちゃん呼び。
想いだけは一人前。ここでは基本アザカもしくはアザカちゃん呼び。
「村人は大量にいて、こちらも複数人いるので、普通に切り抜けるのは難しいです。
なので僕が地に転移の魔法陣を描きます。…でも、何かに邪魔されてる感覚があるので、
発動までは少し時間がかかると思います。」
「アザカにはその間、アイツらを相手して欲しいんです。」
「お願い出来ますか！」
「…大丈夫です！いざとなれば僕が身を呈して貴方を助けます！」
《戦闘開始》
アウィンは�汽拭璽鵑�1d100のゲージ上昇を行う。
ゲージが100溜まったら転移陣作成完了。
農民は一人あたりHP10、４人出る。
農民全員ボコスか１００たまるかで勝ち。
■村人x4 HP10
1d100<=35 農具 or ショットガン
1d6+1 農具ダメージ
《戦闘終了》
あなたが露払いをすると、村人は吹き飛び、将棋倒しのように倒れた。隙が出来た。
「転移陣記述完了！転移しますよ！師匠！陣の中へ！」
同時にアウィンが叫び、足元の転移陣が光り輝く。
村人らは起き上がり、逃すまいとあなた達へと覆いかぶさっていく。しかし、毒牙は永遠に届かない。
次第に周りの景色は白み、喧騒は遠くなっていく…。
ふと、遠目に誰かが小さく手をふっているのが見えた。
それは、黒髪の長髪を蓄えた少女だった。
あなたの意識は白へと溶けてゆく…
ここで魔術師サイドは実質END。
この後、二人は近隣の街へ戻り、病院へ愚花父（助けていれば）を預け、
依頼主の愚花母へと報告に赴く。
二人は大枠はボカして、限りなくソフトに愚花母へと愚花死亡の事実を伝えた。
母親は大層な精神外傷を負い、待っていた現在の家を引き払って、遠い田舎へと帰ってしまった。その為、愚花が過去の自分の家を訪ねてもそこにはなにもない。ただ閑散とした空き地が広がっているのみだ。
ただし、愚花母も気持ちの整理がつかず、市役所的な死亡手続き等を怠っている。
いつの日か、死亡手続きを行おうとした時、直近で医療保険利用履歴等がある事に気がつくかもしれない。
この後、二人は近隣の街へ戻り、病院へ愚花父（助けていれば）を預け、
依頼主の愚花母へと報告に赴く。
二人は大枠はボカして、限りなくソフトに愚花母へと愚花死亡の事実を伝えた。
母親は大層な精神外傷を負い、待っていた現在の家を引き払って、遠い田舎へと帰ってしまった。その為、愚花が過去の自分の家を訪ねてもそこにはなにもない。ただ閑散とした空き地が広がっているのみだ。
ただし、愚花母も気持ちの整理がつかず、市役所的な死亡手続き等を怠っている。
いつの日か、死亡手続きを行おうとした時、直近で医療保険利用履歴等がある事に気がつくかもしれない。
【痣サイド�ぁ�
■畑
あなた方は荒れに荒れた村を縦断する道を、ひたすら前へ前へと進んでゆく。
薄暗くもやが掛かったような農道は、かつては村民の往来などもあったのだろう。
今では見る影もなく、虫の鳴き声すら殆ど聞こえない。
皆、何かに恐れて息を殺しているのだろうか。
ふと、視界の端に動くものが見えた。
ちらりとみれば、そこは僅かに盛り上がった土だらけで…おそらくは畑だったのだろう。
手入れされずに荒れ果てた土を抉りながら、上体を乱高下させるように何かが不可思議な動きをしている。
裏世界の理に捻じ曲げられてしまった農機械。
人をグチャグチャにしすぎてしまった事により【因】が暴走。
【姿】が悍ましいものへと変貌している。腹の下には、自分が仕留めた獲物を吊るす絞首台がある。非常に悍ましい。
裏世界には点々とグリッチ（踏み入れると身体がねじ曲がったり、炎上したり、おかしな異常をきたす危険なイベントポイントのようなもの）があり、それらの影響を受けてこの様な姿になっている。
人をグチャグチャにしすぎてしまった事により【因】が暴走。
【姿】が悍ましいものへと変貌している。腹の下には、自分が仕留めた獲物を吊るす絞首台がある。非常に悍ましい。
裏世界には点々とグリッチ（踏み入れると身体がねじ曲がったり、炎上したり、おかしな異常をきたす危険なイベントポイントのようなもの）があり、それらの影響を受けてこの様な姿になっている。
「あれはイヌガミサマ」
「この村がこっちに来た時に村人と一緒に転化しちゃった機械。元々はなんか、粉砕機だったみたいなんだけどね…」
「足が伸びた上に殺害した人間をずた袋に入れて、身体から下げてるの」
「まるで歩く絞首台ね」
「近寄らない方がいいわよ、ミンチになりたくなけりゃね」
「ただの機械の時に人を食い過ぎたのよ」
「だから変なのがついちゃったみたい。」
その時、イヌガミサマと呼ばれた機械の近くに、何かが通る。
それはまるで人体がきなこ棒のようにねられ、子供の下手くそなオブジェのように形成された何かだった。
「んでもってあいつらはここの村人。元々女狐に狂わされてたけど…裏に来てからはもうあんなかんじ。」
「こっちになじめなかったんだねぇ。まぁもともと壊れちゃってたし、この村のやつらは愚花ちゃんにひどいコトをしたし…こんなんじゃたりないくらいだよねぇ」
彁の口が歪み、嗤う。
それと同時に、彼女から再び厭な気配を感じ取る。
するとそれに呼応するかのように、
突如、アザカは目眩に襲われた。
瞑ったまぶたの裏に映るは何かの映像だ。
◆過去の光景
うだるような暑さと、セミの喧しさ。
今度の場所は、そこそこの広さの納屋の様な場所だった。
目の前にはあの男。そして女の子。
彼女の太ももは無残にも男の持つマチェットで切断され、
どくどくと血液が流れ出ている。
女の子はほぼ意識がなく、息も浅い。
そうしていると、自分の頬に何かがつたい、唇が勝手に揺れ動く。
「そうはさせない」 「生きて」 「奴らに仕返ししなきゃ」
そうして、私は少女に口付けする。
彼女の中に私が流れ込み…そうして私と彼女は一心同体になった。
…これはきっと、彼女の過去だ。彼女はこの愚花という少女を心の底から愛していたのだ。
しかし、理由は分からないがおそらく彼女は選ばれなかった。突き放された。
人は、最愛の人から裏切られた時、たいてい怒りから悍ましい恨みを抱くか、哀しみから激しい自暴自棄になる。では彼女は？…きっとその両方なのだろう。
彁は負の感情の煮こごりだ。当然そうだろう。
…おくびには出さないが。
…おくびには出さないが。
視界が戻る。
気がつけば貴方はイヌガミサマと呼ばれた機械の成れの果てに突進されていた。
貴方と機械は目と鼻の先だ。
しかし、寸前の所で彁がそれを押し止めている。
手の前にまるでオーラの様な障壁を張り、機械がそれを食い破らんときしむ。
「ちょっと！？目立つようなことはするなって言ったわよね！？」
「いきなりコイツの目の前に躍り出るとか信じられない！！」
「ほらっ…いまのうち早く逃げなさいよ…」
自分はどうやら幻覚を見ている間、勝手にイヌガミサマの前に躍り出てしまったらしい。自分も少しずつおかしくなってしまっているのかもしれない。
《逃げても逃げなくてもいい》
過去視をしている間、脳が一時的狂気に陥って、イヌガミサマの目の前に躍り出てしまった。
ちなみに村人は既にイヌガミサマに惨殺されている。
攻撃方法は突進、グラインダーによる屠殺など。
ちなみに村人は既にイヌガミサマに惨殺されている。
攻撃方法は突進、グラインダーによる屠殺など。
《逃げる》
貴方は恐ろしさから逃げた・・・いますぐそいつから離れなければ、いともたやすく
生命はぐちゃぐちゃのひき肉のように引き伸ばされると思ったからだ。
しばらくすると、背後から炸裂音が響き、ひときわ高いサイレン音が響く。
そうして、ずるずると足を引きずった彁が戻ってくる。
その身体は血だらけで、痛々しく血液が衣服を汚している。
「…何？これくらい私は大丈夫よ。どうせもうすぐ消されるんだし。
怪我してまいがしてようがアンタには関係ないでしょ。」
逃げられた事に哀しみを覚えつつも、守れた事に対する安堵感・達成感で心がせめぎ合っている。
《逃げない》
貴方は恐ろしさを堪え、逃げずにイヌガミサマへと立ち向かった。
「ちょ・・・はぁ？」
「なにやってんの！？はやく逃げとけっていってんのに・・・！」
ピシリと、イヌガミサマの爪が障壁を貫通し、彁の頬に傷をつける。
「・・・つっ！」
「…仕方ないわね、正直私の力じゃこいつを押し留めておくコトしかできない。」
「そのうちにコイツの目を狙って、何か…攻撃して！」
《魔法攻撃》
貴方の魔法攻撃は障壁を内から貫通し、イヌガミサマの、ライトが変形したのであろう瞳を貫通する。
イヌガミサマはまるでサイレン音のような悲鳴をあげながらその場に倒れ、機能を停止した。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「貴方・・・霊力があるのね・・・」
「まあ当然といえば当然か・・・」
「それなら貴方の呪いももしかしたら・・・いえ、なんでもない。」
彁は痣花の霊力を見て、自分がうまいこと彼女へ関わりを持てば、コトリバコの呪いを抑えてあげれるかもしれないと思い至った。
しかし、すぐにそんなおこがましい考えは捨て去った。助けてくれたからって信用しちゃだめだ。すぐにどうせ裏切られる。
しかし、すぐにそんなおこがましい考えは捨て去った。助けてくれたからって信用しちゃだめだ。すぐにどうせ裏切られる。
《優しくする》
「・・・っ！何！？なんのつもりなの！？やめてよね！！」
「表面上の優しさなんてウザいだけ。」
めちゃくちゃ恥ずかしがっている。後者の言葉は寂しさを紛らわしているだけ。
優しくされた後に裏切られたら辛いので、突き放そうとしている。
優しくされた後に裏切られたら辛いので、突き放そうとしている。
《「なんで助けてくれたの？」》
「…は、はぁ？」
「別にアンタなんか助けた覚えないんですけど？」
「ただあのデカくてうるさい虫が目障りだっただけ。」
わかり易すぎる嘘。自分が痣花を助けようとした事実を認めたくないのだ。
どうせ裏切られると分かっているのに、自分から仲良くしにいくなんて狂ってる。
……でも、もしかしたら……という希望も芽生え始めている。
どうせ裏切られると分かっているのに、自分から仲良くしにいくなんて狂ってる。
……でも、もしかしたら……という希望も芽生え始めている。
※ある程度終われば
「ほら…もういいでしょ。」
「そろそろ行くわよ。私の最後の場所。」
彁は無表情に村の最奥・・・豪奢な神社を見遣った。
《目星》
ほんの一瞬、彁の身体が灰の様に崩れかかった気がした。
彁の身体はもう崩壊寸前である。力がほぼ残されていない。
痣花を守るために思わずかなり使ってしまった。
キャラシートが燃えカスになりかけている為、灰のように形容されている。
痣花を守るために思わずかなり使ってしまった。
キャラシートが燃えカスになりかけている為、灰のように形容されている。
■神社
あなた達が歩を進めていけば、道すがら、数多の鳥居が現れる。
ガタガタとアンバランスに生える様はまるで、地面から自生して来たかのようにも見える。
その様子と数を見るに、どこか伏見稲荷大社を思わせる荘厳さとおどろおどろしさを讃えていた。
そしてその先に控えるのはこれまたいかめしい社であった。
金銀珠玉に彩られたその神社は、まるで玉座に待ち構える暴君めいて、攻撃性を隠そうとはせずに間口を広げていた。
久遠の現在の力に比例して、神社が荘厳に成長している。
裏世界の主になった久遠は現在、恐ろしく強大。
「そろそろ終点ね。長かったようにも感じるけどこれでようやく終わり。」
「最後に愚花ちゃんに会う事は叶わなかったけど、どこか面影がある貴方に逢えたのは重畳だったかもね。」
自身の最後を察し、少しだけ素直になった。恥ずかしくて言った後に後悔している。
「ここから出る方法があるとしたら…裏世界の城主のアイツに頭を下げるしかない。」
すると、本殿の奥から声が掛かる。
久遠「おいで」
酷く優しい、甘ったるくぬかるんだ声だった。
あなた方はその声に誘われる様に、神社の最深部へと誘われていく。
■本殿
本殿の中は、これまた豪華という言葉では言い表し辛い程の絢爛豪奢な様相を呈していた。
本殿中央、真っ直ぐと中心を割く、一本の長い長い板張りの廊下が、奥の見えない社の中、果てまで伸びている。
端々を見れば、妖しい暗闇の中で光り輝く金銀の装飾品が柱にひしめきあい、
金箔銀箔で彩られた襖は廊下の左右にそびえ、僅かな光を照らし返している。
そこには九尾の狐が陰陽師のような人間を貪り喰らう様子がびっしりと描かれていた。
そうして、ひんやりとした廊下を幾分歩いたのだろうか。
30秒くらいだったのかもしれないし、1時間程歩いた気すらする。
突然、少し開けた場所へと出た。ここが最奥なのだろう。
天井は破壊されたのか無くなっており、赤赤とした黒点を中心に、
空が血液色に怪しく輝いている。
「く…久遠…様」
彁が苦い顔をする。
生理的に受け付けない、といったその表情は、本殿奥に投げかけられていた。
赤き光に照らされた下にそれはいた。
その者は、美しい女性の形を象っていた。
長く長く、彼女の足元まで蓄えられた髪は白銀に輝き、眩い燐光を放つ。
それとは対照的に、肩口を大きく開いた、黒曜石めいて漆黒の着物には、
社の装飾に勝るとも劣らない絢爛雅な刺繍が施されている。
形容するのであればそれは花魁、或いは傾国の美女といった所であろうか。
カラン、コロンと、妙にゆったりと反響する下駄を鳴らし、女性はゆっくりと前にいでる。
すうっと、琥珀色の双眸が、あなた方を捉えた。
「随分と、散歩を楽しんでいたようじゃのお。」
「いいや？文句は無いさ。お前からは随分と助けて貰った。」
「長い時間は掛かっちまったが、お陰で漸くここまで回復できたしの。」
「ああ、名乗りがまだだったのう、妾は久遠玉藻前チカゲ。日の本三大大妖が一人じゃ。」
「遠路遥々ご苦労じゃった。贄は幾らいても良い。我が糧となる事、光栄に思うが良いぞ。」
「……その事なんだけども」
彁が意を決したように阻む。
久遠は一瞬眉をひそめる。
「何だ？」
「こいつ…あざかは自分の意思で此処に来た訳じゃない。」
「私が間違って此処に引き摺りこんでしまったの。」
「だからお願い、私はどうなってもいいから、彼女は元の世界に返してあげて。」
ヘビに睨まれたカエルです。どうせ死ぬというのが分かっているので、最後に勇気を振り絞って久遠に意見しています。
静かに微笑み、彁の話を聞いていた久遠は、そのままニッコリと笑みを零し、話す。
「ふゥーむ…成程、己が過失じゃから、迷い子を許し、元に帰して欲しいとな…。」
「中々献身的で仲間思いじゃないか。どこで覚えたか分からぬが…素敵じゃのう。」
「じゃがダメじゃ、一度妾の領域に入ったが最後、なんぴとたりとも出る事は許さぬ。命は既に我の物と思え。」
突如、柔和だった女性の表情が邪悪に染まる。
嫌な気配に背中は冷や汗がつたい、全身の毛が逆立つ。
彁から感じた嫌な気配の何倍も、何十倍も邪悪だ。
「そ………そんな…」
彁の表情は絶望に染まる。
守れなかったトラウマが、彁の脳裏を掠めています。
「おうおうおう、良い顔をするではないか。久しく見ていなかった故、胸が高なってしまうわ。」
「どうして？！いいでしょ少しくらい！ただの一般人の魔力量なんてタカが知れてる！
貴方の腹の肥やしになんてならないわ！」
子供の様に喚き散らしています。まるでだだっこです。
「はあん？それを決めるのは妾だ。
それにしてもお前、随分とこの娘の肩を持つじゃないか。」
「……っ！」
「よしとくれよ、この娘にあいつの幻影でも見とるのか？」
「!…やめて…」
「妾の鼻は誤魔化せんぞ、この娘、あの…愚花といったか…あやつの縁者であろう？
いつまでもいつまでも、貴様に振り向かぬ者を追い続けて恥ずかしくないのかァ？」
「…やめて！」
「思い出せ…お前は見棄てられたのだ。可愛そうになぁ…あれだけ長い時を過ごしたというのに。
お前もこう思っていただろう…人間はすべからく、愚かで醜い…なぁ…そうだろう？」
「愚花ちゃんは…そんなんじゃない……私は…私はただ…存在したかった…！」
「クッハハハハハ！！誰もお前の存在など認めない。なぜならただの厄介な悪霊に過ぎんからだ。
あの小娘も心の内ではお前の事を厚かましく思っていた。」
「私は…誰かに認めて貰いたかった…！」
「認める？何をだ？ひとつも取り柄のないお前を、誰がどう認めると思っているのだ？
不要だ。貴様は世界に必要ない。拒絶されているんだよ。」
「こ…ここに…居…てもいいよ、って、言って貰いたかった…だけ、なのに…！」
「いいや、居ね。邪魔だ。視界におれば虫唾が走る。
元より存在を認められぬお前だ、全ての人間はお前の事を疎ましく思っている。
しかし、妾の中におれば、その様な事は考えんでも良い。さぁ、早くわしの元へ戻るが良い」
久遠がそう良い、彁へと手を向ける。
その時、アザカは今再びの目眩に立ちくらむ。
まぶたの裏に映るのはまた別の光景だ。
■過去の戦いの記憶
ガラリ。瓦礫だらけの地に一人の男と、二人の少女がいた。
男は銀色の髪に浅黒い肌、金色に光る眼に赤黒の着物。
額からは血を流しているものの、邪悪な表情からは、微塵の痛みも感じていない様に読み取れた。
「お、お前は…久遠…様」
彁によく似た少女が後ずさる。
その少女を見ると、男は口を開いた。
「ほう…？貴様…水子の集まりか。成程、これまた面倒な奴が出て来たものじゃ。」
「同じ場に封印されていた儂の封印が解ければ、貴様が何不自由無く外を歩けるのも通りよな。じゃが、貴様はことこの世界において影響が大きすぎる。」
「外の世界を感知出来る貴様の存在は、この現し世の理を崩壊させかねん。
どうやらその娘を誑かしてなんとか出て来た様じゃが、また一人大人しく岩間で悠久の時を過ごすが良い。」
男が吐き捨てる、すると、少女は顔を上げる。
「ふざけないで！誑かしてなんかいない！
お前たちと違って私…いや私たちは生まれたくても生まれられなかった存在だ！
存在しようともがいて何が悪い！」
「元はと言えば今、私たちを見ているこいつら人間どもが！
面白半分に何度も何度も賽を振るのが悪いのだ！
やれ力が無い、やれ器用さが無い、やれ醜いだのと！
賽を振る度に私達の魂が引き裂かれ、棄てられているとも知らずに！！
お前のその傷も連中の手先にやられたんでしょう！！」
「はぁ…やはりこの世に生も受けたことも無い小童よ。
いけしゃあしゃあと喚き散らしおってからに。」
「確かに貴様の言う通り人間は勝手じゃ。気に入らなければ作り直す。
例えそれがキャラクターとして体を成す前の未熟な魂であろうともな。
しかし喚いてどうなる？あやつらの意思にはそうそう逆らえん。
罪の意識すらある訳無かろう。」
「そして貴様は、いや貴様らの魂は、その脆弱さ故、人間どもに選ばれなかった。
それだけの話よ。未熟な魂が幾重重なった所で、その内情は愚かの極みだ。
大人しく自我は棄て、再び儂の中で眠りにつくがよい。」
そういうと、男は少女に指を向ける。
すると、まるで吸気口の様にその指先に向かって風が舞い上がり、吸い込まれていく。
二人の少女の身体からも、何か黒い粒子の様なものが出ていき、どんどんと吸い込まれていく。
「が…あ…！…やめて…やめて！私は存在したい！誰かに認められたい！
ここに居てもいいよって言ってもらいたいだけなの！！！」
「助けて、助けて愚花！！」
愚花と呼ばれた少女は、助けの声に答えたのか。
身を挺してその少女を助けた。
眉間に皺を寄せる男は、イライラとした様子で呪詛を吐く。
「…ほう？なんのつもりだ小娘？」
愚花は怯まずに反論する。
その言の葉は家族を思う子供のような、それでいて芯の通った揺るがなさ、温かさがあった。
「舐めおって…もうよい、今日は虫の居所が悪いのだ。お前ら全員皆殺しだ。」
そこで映像の時は止まる。
グレーに止まった世界の中で、彁によく似た少女だけが動く。
振り返って、貴方へ視線を合わせた。
「こんにちは。私はまりちゃん。愚花の友人であり姉であり、存在を許してもらった者。」
「色々貴方に見せてごめんね。こうする他なかったの。」
「あの子…彁は…もともと私と存在を同じくする者。私達の妹。」
「世界に生まれてこれなかった魂が折り重なって生まれた小さな…か弱い存在。」
「愚花ちゃんと私、そして彁は力を合わせて戦った。私達の存在を証明する為に。」
「そして傷だらけにはなったけど…なんとか…久遠に勝てたの。」
「でも…彼女、彁だけは違った。私の罪を一身に引き受けてくれてた彼女は、
久遠に永遠に奪われてしまった。」
「それでも今、ひとひらのえにしが、彼女と貴方を繋いでる。」
「元、私の一部…彼女の、愚花ちゃんに対する執念がそうしてるのかもしれない。
それとも…あなたの引き継ぐ呪いが引き寄せたのかもしれない。」
「偶然か、必然か、そんなもの誰にもわからない。確かなのは、今頼りになるのは貴方だけ。」
「お願い、彼女を助けてあげて。一人は寂しいのよ。貴方ならきっと…分かってくれるよね。」
そういうと、まりちゃんは、貴方に小さい手毬を渡した。
そうして貴方の頭をひと撫ですると、ふっと暗闇に姿を消した。
視界は戻る。
眼前では、女の久遠が彁の体から黒い粒子を吸い上げていた。
「あぁ美味い。やはり悪意は妾の体に一番合う。」
「う…ぐぅ…！あ…！」
彁は最早立ち上がる力も残されてないのか、地に這いつくばり唇を噛んでいる。
《女狐に立て付け》
貴方が邪魔をするのであれば、久遠はぎろりと目玉だけを貴方へ向け、敵意を顕にした。
「はぁ…まったく、人間はワシの邪魔をする決まりでもあるのか？」
「あの時は不完全だった故、力は発揮出来なかったが、今はそうではない。」
「貴様は食事に邪魔だ。とはいえすぐに食ってやるから待つが良い。」
久遠が空いている片腕を貴方へ掲げ、ちょんと押しだす。
それだけの動作で、貴方は体全体に鉛の大玉が当たったかのような衝撃を受け、吹き飛ばされる。
1d100ダメージ
※死なずに、１だけ残る。
現在の久遠は悍ましい力を持っている。通常は戦いにすらならない。
「アザカ…ごめん…また私は…」
邪魔者が消えた久遠は、高笑いをあげた。
「ハハハハハ！いいザマだ小娘、これが存在しえぬ希望に縋った結果だ！
貴様のその顔を歪めるのは気分が良い！
最後は派手に妾のとっておきで潰して、貴様の霊素を啜ってやろう！」
『境恠：寂滅非想非非想処』
１０００年前、久遠が最も得意としていた境恠の一つ。「寂滅非想非非想天」と合わせると
攻守ともに最強となる。これで平安京で邪悪の限りを尽くしたと云われている。
攻守ともに最強となる。これで平安京で邪悪の限りを尽くしたと云われている。
久遠が呟くと、空を覆っていた赤黒い光は幾重にも折り重なり、
次第に巨大な狐の牙を象っていく。
そうして山のごとき質量を持った大狐の姿を表すと、
それは大口を開いて彁へ食らいつきに飛びかかった。
「……いや…！」
激しい爆裂音。
爆風は堂ごと吹き飛ばし、その欠片がアザカの身体を容赦無く傷付ける。
立ち篭める土煙。
そうして暫くの後、煙がだんだんとそよ風に流されていく。
土煙のもやはゆらゆらと広がり消え、煙が完全に開ける。
そこに立っていたのは……思いがけない者だった。
掲げた深紅の拳が天を穿ち、大狐の残り火による硝煙が、拳の先から立ち上っている…。
■グロリア―サー！
《グロリアーサー登場》
「誰かが言った！認められたかったと！」
「誰かが言った！希望は無いと！」
「全て私が応えよう！君は独りじゃない！」
「全て私が受け持とう！私こそが希望だと！！！」
「深紅の拳は誓いと共に！！グロリアーサー！！私が来た！！！」
「……………………………ハァ？？？？？？？？？？？」
「グロ……なんて……？？？？？？？？」
誰がこの展開を予測できたのであろう、いや、無理だ。
彼こそは一年以上前に行方不明となり、事実上の引退扱いとなっていたスーパーヒーロー、グロリアーサーその人であった。
久遠は勿論、果ては瀕死の彁に関しても、目を丸くし、驚愕の表情を浮かべる。
マジでとんでもねえよな、この展開。
久遠「筋肉バカ…貴様はあの時…確かに殺した筈…！」
グロ「あぁ死んださ。いや、正確にはヒーローとしての私が一度死んだ、かな。」
グロ「あの時確かに私は、君が操るタイガ君の攻撃を受けて倒れた。」
グロ「まさに油断だった。ヒーローとして最も恥ずべき痴態だ。」
グロ「あれから私は、瓦礫の下で暫く眠った。」
グロ「私の治癒能力を持ってしても、この傷を癒すのは長い時間が掛かったよ。」
久遠「チッ…致命傷じゃなかったという事か。馬鹿みたいな生命力をしおって。
本当に貴様人間か？…まぁいい、ならば今度は見誤らぬ様、貴様の遺骸を全て喰ってやろう！」
グロリア―サーは一応生まれは他惑星の人なので、人間か？という問にまともに答えられるのかという所はある。
久遠が村人を召喚する。
「祝詞 -勅命集肢-！」
久遠が印を結び叫ぶと、瓦礫からかつて村人だったものがバラバラと土を押し上げて生える。
「ゆけ、連中3人を喰らってしまえ！」
しかし、村人らはその場から動かない。
「何をしている！このデクの棒ども！」
ぶしゃり、赤黒い液体…恐らく血液が。
勢い良く村人から噴射され、ゴトリと彼らは倒れる。
「何？」
瞬間、風を切って残像が地を翔ける。
それはあざかの横へ肩を並べると、残心して名乗りを上げた。
■刹那大河！
「同じくヒーロー、刹那大河。名乗りは特にねぇ。」
「ハッハッハ！大河クン！随分と遅かったじゃないかね！ヒーローは遅れてやってくるものだが、
出来れば君にも見せ場は残してあげたい所だぞ！」
「いや、アーサーが早すぎるんすよ。っていうか、飛べるとかチートっしょ。」
「・・・っと、それは置いといて。キミ、大丈夫？」
大河と名乗った男…妙に既視感のある顔の彼はアザカに手を差し伸べた。
「貴様…刹那大河か。」
「もう貴様の形は覚えた故、身体は森かどこぞにうち捨てたかと思っとったが…
妾に乗っ取りを受けて尚、自分の精神を保っておったとはな。」
「ったりめぇだ！」
「こちとらココの強さだけで今までやってきたんだ。」
「おめーの精神支配に抵抗し続けるのは流石に死ぬかと思ったけどな！」
彁「なんなのコイツら・・・」
それはそう。
グロ「さて敵君！これで4対１だが・・・まだやるかね！」
久遠の眉間に隆々とした血管が浮き出る
「まだやるか、だァ・・・？ フザけるなよザコ共・・・。
死にぞこないが二人に、魔術に対抗する手段を保たないゴミが二人だけだろうが・・・！」
「そもそも貴様らと戦っているという認識すら無い・・・これは一方的な食事だ。」
久遠が片手で印を結ぶと、再び瓦礫の隙間から、木々の合間から、草の影から、ぞろぞろと村人が集まってくる。
「この村の住人は全てワシの思うがままじゃ。
いくらお主らが強いとて、罪なき元一般人を叩くことが出来るかな？」
「ヌゥーっ小癪な！！！」
グロリアーサーは悔しそうに悔しそうに歯ぎしりをする。
が、再び大河が駆け出し、村人らを一閃する。
「何？」
「俺は蘇った時にそういう矜恃は捨てたんで、アーサーが手出し出来ない所は俺に任せて下さい。」
「ほう！やるじゃないか大河クン！中々のダークヒーローぶりだ！しかし今はそんな君に頼る他あるまい！」
「少女達よ！まだ立てるかね!?」
あなた達は満身創痍だ。
一連の流れで気付かなかったが、彁に至っては立ち上がることもままならない。
身体からは黒い粒子がこぼれいで、消滅しかかっている。一人では立てなそうだ。
《目星》
一瞬、彁の姿がブレ、1枚の紙が焼け焦げてほぼ塵と化していた。
彼女のキャラシートです。既にほぼ大部分は焼け焦げ、残す所数文字で彼女は世界からも見放されてしまう所です。
《彁に近寄る》
あなたが彁に近寄り、声を掛けるのであれば、ふと、貴方の胸元から小さい鞠がこぼれ落ちた。
その鞠はころころと彁の側まで転がり、小さく光り輝き出す。
その光は次第におおきくなり、人の形を象ると、あの少女の姿となって彁の近くへと屈んだ。
挧蟐彁が、鞠という魔力の塊、AFを通じて僅かな時間顕現しました。
貴方がたにどうしても伝えたかった事がある様です。
現在、本体の挧蟐彁は過剰な霊力使用により自宅のベッドで高熱に苦しんでいます。
貴方がたにどうしても伝えたかった事がある様です。
現在、本体の挧蟐彁は過剰な霊力使用により自宅のベッドで高熱に苦しんでいます。
●挧蟐彁登場
「お疲れ様、今までよく頑張ったね。長い間、だれにも気付かれなくて、独りぼっちで、寂しかったねぇ。
私、貴方にも幸せになって欲しいんだ。私はもう、色んな人から沢山幸せを貰った。大好きな人も沢山できた。この村に縛り付けられてた時は、こんなに幸せになれるなんて想像した事も無かった。
ねぇ、人を呪うのって疲れるよね。貴方にも、大事な人を見付けて欲しいの。きっとそれはすぐ傍にいるから…。」
まりちゃんは貴方に向き直る。
そして潤んだ瞳を歪ませて、頭を下げた。
「この子を…彁を…私達の妹を…どうか…助けてあげて下さい。よろしくお願いします。」
挧蟐彁は、愚花と共に下町に来て、彼女と共に楽しい毎日を送り、
埜呂麻という大切な人も見つけました。今、彼女は幸せです。ありがとう。
埜呂麻という大切な人も見つけました。今、彼女は幸せです。ありがとう。
《了承する》
「…ありがとう。」
まりちゃんは顔を綻ばせ、光るまつ毛を濡らして微笑んだ。
そうして弾ける泡のような光となって、貴方と彁に吸い込まれてゆく。
「追忌：伽羅作製」
挧蟐彁が鞠に込めた祝詞。消滅しかかっている彁のキャラシートを、
痣花のキャラシートへと統合するのだ。
痣花のキャラシートへと統合するのだ。
ふわりと、泡の光の流れが一直線に彁と痣花を結ぶ。
互いの身体から出る何かの源は行き来し合い、次第に繋がりを増していく。
寂しさ、怒り、恨み、その様な感情が綯い交ぜに、ぐちゃぐちゃと雪崩込む。
あなたの存在という1ページに、彁という存在が1行追加された事を確かに感じた。
体質：彁 貴方という存在を楔に、彁の存在を証明する。
この行を、痣花のCSに書き込んでおいてほしいのです。
「貴様らさっきから何をゴチャゴチャと！」
「死に損ないは大人しくくたばりおれ！」
グ「…しまった！」
久遠が霊体の尾を鋭く尖らせ、あなたへと猛烈な勢いで伸ばす。
おぞましき攻撃を避ける事は難しいだろう。
貴方は思わず、身を防ぐように手のひらを尾へと向けた。
パリン。
衝撃の瞬間、激しく視界がスパークする。
しかし貴方はその身に痛み等は感じなかった。
恐る恐る目を開けば…貴方の体表に、花弁のように美しい痣が光り、全身を駆け巡っていた。
それはかつて貴方に呪いとして眠っていた蕾。
今、最も相性の良い呪いと、その身の中で邂逅した事により、その呪いは花開いた。
そして目の前には、今迄貴方が目にしたこともないような恐ろしい怪物がいた。
怪物はおぞましき触肢を腕のように唸らせると、霊体の尾を弾き返す。
二人が結ばれた事により、彁が痣花の呪いを一身に引き受け、呪術へと昇華した。
久遠「貴様…霊力回路を無理矢理こじ開けたのか…！」
彁「うふふ…ありがとう、ありがとうねぇアザカ。」
「あなたが許可してくれたから…貴方が認めてくれたから、私は自由を得る事が出来た。」
「あなたの持つその…名も無き受け継がれし呪いに、「私」という呪いを上書きさせて貰ったわ。」
「人と繋がるのって本当に…素敵ね！今ならどんな事でも出来ちゃう気がする。」
「……アイツを倒す事も。」
「…ハハハ、ハハハハハハハハ！！！」
「化け物とクズ虫！！面白い！奇しくもあの2人を思い出すのう！」
「じゃが妾もあの時とは違う、貴様らを消す事に容赦はせん。」
「貴様らが妾の前にどれだけ立っていられるか、しかと見届けてやろう！」
「来るぞ！ここからが本当の戦いだ少女たち！」
「大河くんは敵が沸かせる周りの敵を、私は彼女の攻撃をできる限りこの拳で相殺してみせよう。」
「だが彼女は強大だ。残念だが、恐らく完全には防げないだろう。」
「君達も持てる力全力をもって彼女に立ち向かってくれ。」
「だが、生き残る事を念頭において行動してくれ。」
「さぁ…行くぞ！」
決着をつけろ。
《戦闘開始》
大河は久遠が無限湧きさせている村人の駆逐で戦闘に参加は出来ない。
グロリア―サーと久遠はターンの最初に動き続けています。
久遠は9d99の攻撃を毎ターン飛ばす。
グロリアーサーはクリムゾンスマッシュにより、それから10d50のダメージを軽減させる。
グロリアーサーが抑えている間に2人で攻撃し続け、潰し込む事が出来れば勝ちです。
1ターン目
久遠「死ねぇ！」
グロリアーサー「クリムゾンスマッシュ！！！」
久遠の攻撃とグロリアーサーの攻撃が激しくぶつかり合う。
衝撃は周囲に凄まじい風圧を撒き散らし、村人の一部も吹き飛んでいく
久遠「ハッハッハっハッハッハ！！無駄だ！！霊力による攻撃は物理攻撃による相殺は不可能だ！」
グロリアーサー「グ…本当にそうかな！？」
久遠「…何！？」
グロリアーサーの連続攻撃が、僅かに久遠の攻撃を跳ね返していく。
「霊力というモノがなんだかは分からないが…質量を持たぬが故に干渉出来ぬのであれば…！
干渉せざるを得ない程の質量を込めて拳を振り抜けば良い事！
それでもダメであれば…霊力に干渉できるほどに、1発1発に魂を込めて打てば良い事！！」
久遠「無茶苦茶なヤツめ…！」
今のうちに攻撃ができる。
本当に無茶苦茶な理論ですが、彼はコレを地で行きます。
圧倒的パワー、圧倒的戦力、一人軍事国家とはまさにこの事。
前回はかませに回ってしまった気がしなくもない彼ですが、
本当の所マジでバチクソにゲロ強いです。
圧倒的パワー、圧倒的戦力、一人軍事国家とはまさにこの事。
前回はかませに回ってしまった気がしなくもない彼ですが、
本当の所マジでバチクソにゲロ強いです。
3ターン目
大河「アーサー！村人は粗方片付け終わった！」
アーサー「でかしたぞ大河クン！」
アーサー「しかし敵は手強い！私でもいつまで持つか分からない！」
頑強な筈のグロリアーサーのヒーロースーツは所々裂け、
血を吐きながらグロリアーサーはクリムゾンスマッシュを連続で打ち込む。
「大河クン！そろそろ私でも厳しいぞ！彼女らを返してやる手立てはないかね！？」
「あ！？無茶な事言うなぁ」
大河はキョロキョロと当たりを見回すと、何かを見つけたかの様に地に手を伏せる。
大河「こいつは驚きだなぁ…どうやらこの村で昔、転移魔法陣を使った奴がいたらしい。」
「お前ら！今から俺はここにあった魔法陣を活性化する！何
処に飛ぶかわかんねぇけど、少なくともお前達は表の世界には戻れる筈だ！」
「それまでアイツを抑えといてくれ！」
アウィンが使用した転移陣が残っていました。Thank you魔術師夫婦、フォーエバー魔術師夫婦。
《あなた達は？》
「俺達はお前らが此処を通るまで門を活性化させなきゃいけないしな。昔あいつが俺に入ってたせいで、妖力の扱いは得意なんだ。」
「同じく！私はこの女性を抑えておかないといけないしな！喜んでここに残ろう！君達が助かればそれで良し！」
大河は過去に久遠が身体を支配していたので、霊力回路が全開放されています。
実は滅茶苦茶呪術使いに長けています。
実は滅茶苦茶呪術使いに長けています。
グロ「ヒーローというのはな…自らを犠牲にして人助けするのを厭わない頭のおかしなお人好し連中なのさ！」
グロ「この身のすべてが滅びようとも！決して君達を見捨てない！」
久遠「人…間…風情がァ…！！」
久遠も赤黒い血液を撒き散らしつつ咆哮する。
大河の開門から2ターン後
大河が手を伏せていた魔法陣が、にわかに白んで輝き出す。
「来た！今だ！お前らここにとび込め！」
今なら陣の中に飛び込めそうだ。
《DEX×5》
「まぁてええええええええ！！！！」
久遠はあなた達を標的に炎を飛ばす。
「そうはさせん！！彼女の旅路を邪魔するものは、たとえ天の太陽が許してもこの私が許さない！
喰らえ……！！インフェルノ・クリムゾンスマッシュ！！！！！」
久遠は咆哮するが、グロリアーサーの拳が炎を裂き、久遠の顔面へと直撃する。
それと同時に、あなた方の意識も急速に眩んでいく。
世界が暗闇に落ちていく中、ヒーロー二人のサムズアップが見えた気がした。
元気でな！少女達！！！
■END – 手を握って、くれますか。
目が覚める。
そこは花畑のような場所だった。
まるで天国のようにさんさんと太陽が照らされ、チューリップやコスモスの花弁がらんらんと風にゆれ動かされる。
小鳥はさえずり、金木犀の甘い香りがどこからかふんわりと漂って肺を満たす。
ふと、横をみれば、同じく彁がきょとんとした顔で倒れていた。
「何ここ…天国…？…いや私が行けるはず…」
二人で困惑していると、ふと、気配を感じる。
振り返れば、そこにはまるでシスターの様な女性が一人。
「おや？お花畑で如何されましたか？いいお天気ですからねぇ、
日向ぼっこをしていたら眠くなってしまいます。 さて…当黒忌教会にどういったご要件でしたか？」
転移陣で飛んだ先は黒忌教会だったのだ。
シスターもびっくり。
シスターもびっくり。
彁はポカンとした表情を浮かべたあと、ゆっくりと貴方に向き直る。
そして少しずつ口角を上げると、今迄見たことも無いように朗らに微笑んだ。
「えへ…もしかして、助かっちゃったのかな」
「あー、ありがとう、痣花…ちゃん」
「でも私みたいな呪いを助けたんだから、ちゃあんと…責任取ってよね？」
「捨てたりしたら許さないから。なんせ私はもう貴方の一部なんだから。」
「私を捨てるという事は、貴方を捨てるという事。そんな事はゆるさない。自分を大事にしなさいよ？」
「最初に警告しておきたいんだけど…私はかなり不安定な存在なの。」
「心は欲に染まりやすいし、固執してる人に出会ったらどうなっちゃうのかも分からない。」
「それでも貴方には恩義を感じてるし…これが仮初のものだとしても、寂しさを埋めてくれたのは貴方」
「貴方を傷付けた者には復讐を。私を傷付けた者にも復讐を。約束する。」
「だから…仲良くしましょ？痣花ちゃん」
・同好会会長からの連絡
PRRRR
電話が鳴る
相手は同好会会長だ。
「ああ、もしもし、痣花さんですか。いやーやっぱりさっきの話は私、中々納得出来ません！
どうして急に今回の依頼は取り消すーなんて事になったんですか？
お二人共目が据わってましたし、なんか変なモノに憑かれたんとちゃいます？あ、いやー、冗談ですけど」
貴方は思い出す。あの時見た赤い人、そして空青を。彼女らはあの後、いったい何処へいったのだろうか。
そして同好会会長が見た痣花とは誰なのか？
呪いと繋がった事により、より強い何かを現世に引き寄せてしまったのかもしれない。
まだ不安の種は撒かれたままだ。
しかし今はただ、ここに咲く花と彁、共に空を見上げて居たかった。
Epilogue
でね、そんなこんなでAさんの娘さん、戻ってきたのは腕だけだったんですって。
なんでも相当高名な呪術師に依頼したとか。
心の何処かで分かっちゃいただろうけど、だからといって腕だけはねぇ。
だからもうAさん相当気を病んじゃったらしくて。
今は一人でご自分の地元へ帰られて、ひっそりと暮らしている様ですよ。
え？さっき話した内容と随分違うじゃないかって？
いやいや、何を言っているんですか。
貴方とおはなしするのは、これがはじめてですよ。
シナリオクリアです。
お疲れ様でした。楽しんで頂けていれば恐悦至極にございます。
コメントをかく